横浜サワディーブリッジコラム ~接客の現場から~
自主練習しても英語が出て来ない方へ
もしかしたら練習のしかたに問題があるのかもしれません。以下、自主練習で必ずやって欲しいことをお伝えします。
●カタカナ発音をやめること
単語やフレーズの発音練習の際、カタカナ発音は絶対にやめてください。カタカナは外来語ですが発音は日本語です。コーヒー、アップル、レモンでは通じません。
●芝居・イメージトレーニング
英会話フレーズ練習の際、試験前のように黙読したりブツブツ言うだけの練習をしていませんか?これはやめてください。実際の現場やシーンにつながらないからです。
英会話には相手がいます。英会話の理想は、その現場やシーンに遭遇した時に相応しいフレーズがスッと出てくることですよね。そのためには、会話の相手、場所、状況などをイメージした上で、英会話フレーズを声に出して読み上げるようにしてください。
例えば、
「お客様がご来店された時」
「お客様のお話が聞き取れない時」
「レジのタッチ決済時」
などの接客シーンを想像して、ふさわしい英会話フレーズを声に出して練習します。このとき、芝居のように立ち居振る舞いやアイコンタクトをプラスしてください。イメージトレーニングが必須なのです。
最後に、日本は英語がなくても暮らせる国。英語を使うときはいつも突然です。とっさのタイミングに対応できるようになりたいのでしたら、日々5分程度のように、頻繁にシーンを想像しイメトレをすることで、英語と関わり続けましょう。
自主学習については、こちらの記事に詳しく書いております。
スマホの翻訳アプリで英語は本当に大丈夫?
最近では翻訳アプリが充実し、AI、ChatGPTを活用した英会話ツールも続々と出てきているようです。では、スマホを手にすればもう英語は大丈夫なのでしょうか?
英語接客のタイミングは、突然やってきます。
しばらくの間翻訳アプリを立ち上げてないと、外国人のお客様からとっさに話しかけられたとき、立ち上げに時間がかかりませんか?アプリが立ち上がるまで、お客様は待ってくださるのでしょうか?
正直、レジが忙しいときには翻訳アプリを立ち上げる余裕などありません。
私も過去の現場で、チーム全体に1台翻訳機を持たされたことがあります。中国のお客様の前で使おうとしましたが、結局画面の立ち上げが遅く、漢字を使って筆談しました。絵を描いたこともあります。アナログの方が早い時があるのです。
翻訳アプリは、スタッフ側よりもむしろ外国人のお客様が自分の使いたいタイミングで利用する方が有効なようです。
スマホは、電気や通信が滞りなく提供されているから使えるのです。日本は災害の多い国です。災害によって一時的に電気や通信が断たれた時は、スマホは使えません。スマホの翻訳アプリに頼るよりも、英語のアンチョコを作ってすぐに調べられる環境を整えておくと、できることが増えそうですね。
「一般参賀」のようなごく当たり前の日本語を英訳するヒント
以前東京駅周辺で総合案内の仕事をしていた頃、皇居に近い駅のため外国人のお客様から度々皇居への行き方を聞かれ、案内していました。
皇居は「the Imperial Palace」と英訳されているのですが、大概のお客様は「the Royal Palace」、「the Grand Palace」と仰っていました。海外ではその方がピンと来るのかなと思い、私も案内時には「Royal」や「Grand」を使うようにしていました。
1月2日の勤務時は、一般参賀に向かわれるお客様で東京駅は非常に混雑していましたが、そんな事情を知らない外国人のお客様もいらっしゃいました。通常のご案内の後「本日は一般参賀のため、混雑しています」と伝える必要があると思い、とっさに一般参賀を「New Year Greeting from the Royal family」(皇室による新年のご挨拶)と言ってしまいました。
この時「新年の一般参賀」の正式な英訳は知らず、こう伝えるのが精一杯でしたが、後日宮内庁のホームページを調べたら「New Year Greeting」が使われており、偶然の一致に安心しました。
ごく当たり前の日本語をとっさに英訳するのは至難の業です。そんなときは英語の前に「日本語での意味」を考え、それをストレートに英語にするのがベストだと考えます。
そのヒントを外国人のお客様からいただきました。日本語を話すアジア系のお客様が「天皇陛下のお部屋は?」と聞いてこられたのです。ちょっと飛躍していますが皇居のことだと察し、とっさに道案内をしました。なるほど皇居の意味をよく考えると確かにそうなるのも頷けますね。ご参考までに。
年末の英語あいさつに「Season's Greetings」はいかが?
日本ではクリスマスや年末年始に近づくと、所々で「Merry Christmas」の表記を目にするようになります。
あまりにもお決まりのフレーズとして使われていますが、実はこちらはキリスト教の言葉です。
世界の人に通じる英語を目指す当教室としては、宗教を問わず使える言葉「Season's Greetings」をお伝えしたいと思います。
日本語で「季節のご挨拶」と言うこの言葉は、「Merry Christmas」と同様クリスマスシーズンや年末年始の時期に使います。書き言葉のため口頭では使わず、カードやメールなどの文面に書いて相手に送ったりします。お店や観光施設などであれば、こちらの記事にあるようにボードなどに書き売場や施設のロビーに掲出します。
よかったら、ご自身のお店、オフィス、ご自宅などでも「Season’s Greetings」を書いて出してみませんか?私も毎年末手書きして教室で出しております。新しい英語の世界をぜひ知っていただければと思います。