横浜サワディーブリッジコラム ~接客の現場から~

カタカナ英語しか話せず、お客様に通じなくて困っている方へのアドバイス

日本には外来語をカタカナ化する習慣があるため、日本人には「カタカナ音声」が体に染みついています。日本人にとっては一番発音しやすくて都合が良いですが、英会話の弊害となりやすいですよね。

私の経験上、英語スピーカーはネイティブ、ノンネイティブともに、「カタカナ音声」を「英語の音声」と認識してくれない人が多いです。(自分の話す英語に強い癖があってもそうです。) つまり英語らしい発音、リズムで言葉を伝えないと、相手の国の人から「何?分からない!」の反応ばかりで、英会話に至りにくいのです。かといって、英語ネイティブのように発音が良すぎてもノンネイティブのお客様には通じないことも多いので厄介な話です。

それでも「カタカナ音声」から離れたほうが英会話しやすくなります。英語発音に必要な唇や舌の筋肉の動かし方を知って、英単語から発音良く読む。次に抑揚(強弱)のつけ方を知って、1フレーズを一息で滑らかに読む練習をおすすめします。

英語発音を練習する時は、体の筋肉を多く使うアスリートのようになります。時折休憩もはさんでくださいね。

【参考記事】
・発音の良しあしは人間関係に影響する?
・バースデーの発音は一生Birthdayを聞き取れない
・日本人の声の特徴

「中に何が入っているの?」に対し、どう対応する?

海外のお客様の中には、アレルギー、宗教、生活習慣により、体に塗布、摂取する化粧品や薬、飲食物を慎重に選ぶ必要のある方もいます。つまり、「中に何が入っているか」を非常に気にします。これは重要事項ですが、ほとんど日本語の表記しかありません。それ故、店員さんによる口頭での説明が必要です。

成分、添加物、調味料の名前はあまた有り、全てを覚えるのがとても大変ですよね。もしもの度忘れ対策のため、「あんちょこ」を作って持ち歩き、それを見ながら答えられるようにしておくと安心です。

そして、提供するときには必ず”Do you have any allergies?”「アレルギーをお持ちですか」の一言をお忘れなく。お客様の命にかかわります。

「英語やタイ語を使うこと」はイコール、「よその国の人と接すること」

「英語やタイ語を使うこと」はイコール、「よその国の人と接すること」です。笑顔やアイコンタクトもない、礼節もない、挨拶のできない人は良い人間関係を築けず、せっかく学んだ英語やタイ語を活かせません。

海外ではそのような態度を取れば、怪しまれて命にかかわる場合もあるのです。相手の国の決まりやマナーを守り、現地に住む方達を困らせない旅行者、滞在者になりましょう。助けを求めることと、迷惑をかけることは違います。前者はお互いを守る行為、後者は相手に不快な思いをさせる行為です。

日本国内での接客現場では、いくら英語、タイ語が上手くても、接客がぞんざいだと海外からのお客様の中に「日本での嫌な思い出」として残ってしまうのです。 スタッフ個人やお店だけの話ではなくなってしまいます。

日本では、単に英語、タイ語ができる人を高評価する傾向があります。しかし、よその国の人は「英語、タイ語を話す自分」を通して「日本」と言う国を見ているということを常に意識しましょう。

英語、タイ語を話す=リスク管理

スポーツの試合や音楽の発表会と違い、語学の講師は生徒様が英語やタイ語を使う現場に出向いて見守ることができません。英語やタイ語を話すことは、「自分でリスク管理を行う」ということです。よその国の人とお話するには、相手に察してもらうことを過度に期待するのではなく、「自分の知りたいこと、相手に望むことをしっかり言葉にする癖」をつける必要があります。

日本国内の接客業のお仕事でも、日本の決まりやマナーを守らない外国人のお客様には毅然と注意を促す必要があります。

「しっかりと言葉に出すこと」は、挨拶や礼節と同様、リスク管理にもつながります。講師も生徒様の望むことを100%知りません。いつでも言葉に出してくださるのを待っています。 (例: タイ語で「パクチーを入れないで」、英語で「ハンバーガーの玉ねぎを抜いて」と飲食店で伝えることもリスク管理につながります。)。

いつもできるとは限らない「英語でおもてなし」

東京2020に向かって「インバウンドの消費促進」、「英語でおもてなし」を掲げ、前のめりで来たかと思いきや、2020年の幕開けは「世界で新型コロナウイルス感染拡大」。あらゆることがパー。日本から外国人観光客もいなくなりました。

以前企業で営業事務をしていた頃、カントリーリスクと言う言葉を聞きましたが、インバウンドにも当てはまるのではないかと考えます。

疫病の流行、国の政治経済の流れなどによって、「英語でおもてなし」はいつもできるとは限りません。英語を抜いても、接客の仕事で生き残れるよう、専門知識や技術の維持は欠かさずにいきたいものですね。

当事者目線で語る「接客業」という仕事

「お客様をもてなす」接客業ですが、具体的にどんな仕事なのか、今も現役を続ける当事者の目線で語ってみたいと思います。

立ったりかがんだりしながら、不特定多数のお客様に対し笑顔でパッと丁寧なご案内に努めます。お客様のお金や個人情報も取り扱います。喉、腰を痛めやすく、細菌やウイルス感染の危険と隣り合わせです。急な出勤もありますし、ストレスのはけ口にされることもあります。

私がこの仕事を20年以上続けているのは、お客様との出会いにパワーをいただいているからかもしれません。「これ、良かったわよ!」というお声によって自分の職場が売る商品のファンになったことも多々あります。

本当のもてなし上手は、心身ともに健康を維持できる人

人をもてなすには、まず心身ともに健康な体を維持できることからです。いつも接客セミナーでは、おもてなしのための体づくりとして、呼吸、発声、姿勢の話をしています。

1.呼吸:鼻で吸って、口から吐きます。鼻毛をフィルターにして、体に悪いものを入れないようにしましょう。

2.発声:お顔を横に広げて声を出すと、喉に負担をかけず明るく響く声を出せます。

3.姿勢:腰をかがめる代わりに膝を曲げると、腰に負担がかかりません。猫背は腰に負担がかかり、印象も悪くなります。

以上、アレルギー体質で細菌性気管支炎・腰痛の経験者でもある、私からのアドバイスでした。

どうして挨拶をする必要があるのか?

タイのホテルで働き始めた26歳の時でした。右も左も分からずでしたが、朝昼晩ホテルの多様な従業員とすれ違うたびに挨拶だけは交わすようにしていました。そのうちに、顔や名前を覚えてもらい、皆が助けてくれるようになりました。

さらに、明るい挨拶は護身や防犯にもなります。挨拶は自分から殻を破る勇気のいる行動かもしれませんが、早速実践してみませんか?挨拶しない人には距離を置きたがり、挨拶する人は温かく接するのが人間です。生きやすい場所を作れるか否かは、実は私達一人一人次第なのかもしれません。

そもそもマナーはどうして必要なのか?

マナーを求める理由は人それぞれだと思いますが、私は多様な人々と生きて行くためにあったほうがいいと考えています。

接客の現場にいると、多様なお客様と感情のやり取りをするのが面白いなと思います。人は一人一人違って当たり前。自分とは考えや生き方、嗜好が真逆の人もいます。社会ではそのような方たちと共同作業をするのです。

その作業が捗るよう、お互いが不快な思いをしないよう敬意を払い、それが自然と「身だしなみ」、「言葉遣い」、「立ち居振る舞い」に出るのではないでしょうか?

「親しき仲にも礼儀あり」は名言ですね。マナーで相手との程よい距離感を保ち、心地よさから自然と笑顔も出て、良い時間を過ごせたらと思います。


【参考サイト】敬語おもしろ相談室(文化庁)

セミナーで話さない「身だしなみ」のディープな話

「身だしなみ」について、接客セミナーではとても話しにくい、でも本当は一番伝えたい1~4について、そっとお節介を焼かせていただきます。

1.サイズ、丈が体と合っていない
服の購入時は必ず採寸、または試着をしましょう。スーツは「着ているだけでOK」ではありません。

2.体臭・口臭
消臭剤で解決しにくい場合、生活習慣を見直してみてはいかがでしょう?不規則または不摂生な生活は送っていませんか?

3.ゆるい襟のカットソー
選ぶ際、お辞儀やかがむ時を想定しましょう。

4.しゃがんだ時の腰
トップスを選ぶとき、丈の長さを考慮しましょう。しゃがむ際、背筋を伸ばすのも美しい対策です。

英語手書きPOP

英語手書きPOP

店内や店頭で見かける、商品周りに置いてある広告をPOPと言います。英語POPはその英語版です。
横浜サワディーブリッジでは、 インバウンド支援の一環として「手書き英語POP講座」を開催しています。手書き英語POPを使って、世界のお客様をお迎えする準備をしましょう!

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