フィリピンの移住条件5選|リタイアメントビザの取得は簡単?

赤い眼鏡が置かれた複数の開かれた本 フィリピン留学

日本人が海外移住を検討した際、真っ先に候補に挙がるフィリピン。住みやすい気候や、親しみある国民性が人気です。

美しい海とビーチをもつ、世界有数のリゾート地でもありますが、移住のための条件は決して高くありません。

本記事ではフィリピン移住の条件や、リタイアメントビザの取得方法など、気になる疑問に全てお答えします。

フィリピン移住の条件

ノートパソコンと花瓶のあるおしゃれなワークスペース

どの国にも共通しますが、フィリピンに移住するためにはビザの取得が必要です。

フィリピンのビザには様々な種類があり、長期滞在向けは下記のとおりです。

  • APCEO特別永住権プログラム(ASRV)
  • 特別投資ビザ
  • クォータービザ
  • 結婚永住ビザ(ノンクォータービザ)
  • リタイアメントビザ(SRRV)

今回は上記の中から、取得が最も容易なリタイアメントビザの取得に関する情報を公開します。

リタイアメントビザはフィリピン退職庁が発行しているビザで、フィリピンへの長期滞在者、あるいは永住者が対象です。正式名称は「特別居住退職者ビザ」と言います。

ビザの取得が移住の条件とも言い換えることができるので、しっかり確認してください。

年齢が50歳以上

フィリピンでリタイアメントビザを申請するには、50歳以上という年齢制限が設けられています。

実は以前まで35歳以上から申請の申込みが可能でしたが、2021年5月17日より、申し込み年齢が50歳以上からに変更されました。

「リタイア」という名称でありながら若くして申し込めるのはメリットでしたので、移住検討者からすれば年齢制限の引き上げは痛いところです。

また、年齢制限に関する今後の動向は不透明であり、更なる引き上げ、あるいは引き下げが起こる可能性も否定できません。

預託金を入金する

リタイアメントビザを発給してもらうには、預託金をフィリピン退職庁に支払います。預託金とは保証金や礼金のようなもので、条件次第では自分の手元に返ってくるお金です。

一口にリタイアメントビザと言っても下記のような種類があり、支払う預託金の額も変わってきます。

ビザの名称 ビザの内容 発行条件 預託金 政府手数料 年間手数料
クラシック 預託金を分譲マンションや長期リースなどに投資転用可能(投資額は最低5万USドル以上) 50歳以上、または年金受給者
  • 50歳以上は2万USドル
  • 年金受給者は1万USドル
1,400USドル 360USドル
スマイル 預託金の引き出しは不可能(ビザ解約時には返金) 50歳以上 2万USドル 1,400USドル 360USドル
ヒューマンタッチ 介護や看護を必要とする者で、障碍者年金を受給している 50歳以上 1万USドル 1,400USドル 360USドル
スクロールできます

リタイアメントビザには維持費が発生し、毎年360USドルをフィリピン退職庁に納める必要があります。年会費のようなものだと認識してください。

2023年10月現在では1USドルが約148円ですので、預託金は148万円~296万円で、年会費は53,280円という計算になります。

リタイアメントビザ自体の発給要件は世界的に見ても緩いですが、預託金を準備することが唯一のネックでしょう。

必要書類を提出する

取得が容易なリタイアメントビザにも、当然ながら事務作業が発生します。

ビザの取得と面倒な事務作業は切っても切り離せませんが、下記の書類を揃える必要があります。

書類の取得場所 書類の内容
日本
  • 犯罪経歴証明書
  • 戸籍謄本(配偶者や子供など同伴者がいる場合のみ)
  • 年金受給の証明書(年金受給プランの該当者のみ)
  • 権利書など(預託金充当予定の不動産を既に所持している場合のみ)
  • リタイアメントビザ申請書(申請者各人)
  • パスポート原本(入国スタンプがあること)
  • 2×2証明書16枚(5㎝×5㎝のパスポートサイズの白い背景写真)
フィリピン
  • 海外送金証明書
  • NBIクリアランス
    (18歳以上に適用されるが、申請前の段階でフィリピンに連続して30日間以上滞在している場合のみ必要)
スクロールできます

流れとしては、先に日本で準備できる書類を持参してフィリピンに渡航し、フィリピンで書類取得後にビザの申請を行います。

上記を見ると書類の数が多いように思えるでしょうが、EU諸国と比較すれば遥かに少ない上に、取得するのに手間がかからないものばかりです。日本に長期滞在または永住する場合でも、もっと事務手続きは面倒です。

フィリピンのリタイアメントビザは、順調にいけば約2ヶ月ほどで発行されますが、様々な準備に手間取ることを考慮すると3ヶ月ほどはみておくと良いでしょう。

最低限の語学力

フィリピンは英語が通じる国ですので、日本人からすれば言葉の壁が低いと言えるでしょう。しかし、全く英会話ができない状態では、現地で何かと苦労することが目に見えています。

日本にも、全く日本語が話せない外国人観光客が大量に来日しますが、観光客本人だけではなく、相手をする我々日本人も辟易させられます。同じ思いをフィリピンの方々にさせるのは、今後の人間関係の形成上、絶対に避けなくてはなりません。

観光であれば一時のことなのでどうにか乗り切ることができても、移住ともなればそうはいきません。片言の英語でも、ジェスチャーを加えることで何とか相手に伝わるので、最低限の英会話を学んでおくと安心です。

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現地の銀行口座を開設する

フィリピンに長期滞在をするなら、現地で銀行口座をもつことは必須でしょう。

キャッシュレス決済が推進されている現代ですが、国や地域によってはまだまだ対応できない場所も多いです。フィリピンでも小さな商店や屋台では現金のみの取り扱いとなるので、ATMでいつでも現金を引き出せる環境を整えてください。

フィリピンにコンドミニアムなどを所有して長期滞在するケースでも、多額の現金を置いておくことがやめましょう。フィリピン人が親日家といえど、空き巣などの犯罪がゼロというわけではありません。

必要なときに必要なだけ、小額の現金を出し入れをすることで、空き巣や強盗から財産を守りましょう。また、フィリピンナショナルバンクメトロバンクであれば、日本で口座開設が可能です。

フィリピンに移住するメリット

赤いパーカーとヘッドホンでパソコン学習をする子供

フィリピンに移住することで、様々なメリットが得られます。その中から、あまり知られていない付加価値を見ていきます。

「こんなメリットもあるのか」と驚く方もいるでしょうが、読み終えた頃にはフィリピンがなぜ移住先として人気があるのか分かるでしょう。

費用が発生するがビザ取得は代行依頼が可能

リタイアメントビザ取得が困難な方には、ビザ取得代行代理店を利用する方法もあります。

ヨーロッパやアメリカと比較すれば、フィリピンのリタイアメントビザの取得は容易ですが、それでも必要書類の取得・作成、その他の手続きが手間だと感じるなら、エージェントに依頼することでスムーズな発行が可能です。

必要書類の申請や現地で職員とのやり取り、ビザ取得にかかる料金のシュミレーションなど、至れり尽くせりのサービスを受けられるので、代行費用が気にならないという方は、お近くの代理店を検索してみてください。近年は、オンラインでのサービスも展開されています。

1人分の預託金で3人まで移住可能

フィリピンのリタイアメントビザ発給に必要な預託金は、世界的に見ても安い金額です。メリットはそれだけはなく、1人分の預託金で、なんと3人までビザの申請を行うことができます(3人目以降は1人15,000USドル 約230万円)。

3人家族であればかなりお得な話ですので、少しでも預託金の額を抑えたいと考える方は、フィリピンへの移住を検討すると良いでしょう。

就労や出国が容易

フィリピンへの移住後にAEP(労働局の外国人就労許可書)を取得することで、就労ビザ不要で仕事をすることが可能です。

フィリピンは物価の安い国ですが、貯蓄に不安のある方は現地で何らかの仕事に就き、収入を得る必要があります。その際、就労に制限がないことは非常に大きなメリットでしょう。

また、フィリピンのリタイアメントビザには出国に関する制限がありません。気軽に日本へ帰国できることも嬉しい付加価値です。

ただし、ビザ申請中は2ヶ月間出国できないので注意してください。

不動産投資に適している

エリアにもよりますが、フィリピンではジム・プール付きのタワーマンションが3,000万円以下で購入できます。

フィリピンの人口は年々増加しており、現在も発展途上ということもあり、将来性のある国です。

今後も裕福な生活を夢見る移住者は確実に増えるでしょうから、今のうちから人気の出そうな不動産に投資しておくことで、巨額の資産を築くことができるかもしれません。

フィリピンに移住するデメリット

アルファベット順に分類された図書館の書架

フィリピンへの移住は良いことばかりではありません。残念ですが、デメリットと言われる欠点も存在します。

そこまで深刻な内容ではないものの、SNSで稀に見かける「フィリピンへの移住は悲惨」「後悔しかない」といった、フィリピン移住が失敗する理由に関わってくるポイントです。

ぜひチェックしてください。

蚊や虫が多い

フィリピンは自然が多く、温かい国です。そのため、日本と比較すると虫や蚊の量が多くなっています。

もちろん場所によって事情は変わってきます。都市部ではそこまで虫や蚊に悩まされることがないのですが、自然の豊かな地域に移住をすると、日中は虫、夕方からは大量の蚊が出現します。

こういった環境が苦手な方は、できるだけ人工物の多い都市部への移住がおすすめです。

交通事情が悪い

東南アジアではありがちなケースですが、フィリピンの交通事情はお世辞にも良いとは言えません。

車の数は多く、昼夜問わず渋滞をしているので、目的地に着く頃は精神的にも肉体的にも疲弊します。もちろんエリアによって異なりますが、首都マニラ近辺であればオフィス街ですので、土日・祝日でも交通量が激しいです。

運転も荒いので、日本の整備された環境に慣れていると、ヒヤッとする場面も多いでしょう。

食文化に馴染めない

フィリピンの食事は油っこく、野菜が少ないメニューが多いです。味付けも濃いので、日本の和食に舌が慣れていると辟易することでしょう。

フィリピンにも日本料理のお店はありますが、値段的には割高です。いくら物価が安いとはいえ、そう毎日は通うことができません。それなら自分で作ればよいと思うかもしれませんが、必要な食材や調味料が手に入るとも限らないのです。

食は人生の楽しみですから、それが失われることで移住を断念する恐れも否定できないでしょう。

フィリピン移住が日本人に向いている理由

眼鏡が置かれたブランケット上のペーパーバック

フィリピンは、日本人の受け入れを積極的に行ってくれる貴重な国です。実際、フィリピンへの日本人移住者は増加の一途を辿っており、今後もこの動きが加速していくことが予想されます。

では、なぜフィリピン移住は日本人向きなのでしょうか。

フィリピンと日本人の相性の良さをお伝えしていきます。

留学先として重宝される

語学留学のためフィリピンへ移住する日本人が多いことをご存じですか?

フィリピンは東南アジア諸国ですが、英語が通じる国です。日本からのアクセスも良いため、現地で暮らすことで実践的な英会話を学ぶことができます。

世界でも難解な言葉として知られる日本語でも、日本で暮らすうちにある程度は喋れるようになります。英語も同じで、フィリピンで日常生活を送っていれば自然と英会話が身に付くというわけです。

親日国家

フィリピンは親日国家としても有名で、日本人に好意的な国民性は現地で暮らす上で、非常に大きなメリットです。

日本人に対する差別や偏見もなく、露骨な嫌がらせを受ける心配がないことも、留学先として重宝される1つの要因でしょう。

温暖な気候

フィリピンは年間をとおして温暖な気候に恵まれており、日本人には住みやすい環境です。

高齢者などは寒さで体調を崩すことが多いですが、フィリピンなら1年の寒暖差が少ないので快適に生活できるでしょう。

また、フィリピンのセブ島いは美しい海とビーチがあります。気軽に世界有数のリゾート地で羽根を伸ばせることもメリットです。

物価が安い

フィリピンは日本と比較すると遥かに物価の安い国です。そのため、裕福な暮らしを夢見て移住を決断する日本人も非常に多いです。

日本では収入のほとんどを生活費にもっていかれ、常に節約を意識しなくては、とてもじゃありませんが貯蓄に回す余裕などありません。

しかし、物価の安いフィリピンであれば、特に節約を意識しなくてもお金が余るので、贅沢をしながら貯金までできます。

フィリピン移住におすすめの地域

赤い眼鏡が置かれた複数の開かれた本

一口にフィリピンとは言っても、面積は日本の約8割ほどもあります。実際に移住する際は、どの地域に住めば良いか迷う方もいるでしょう。

ここからはフィリピン移住におすすめの地域を詳しく解説します。

セブ島

セブ島は世界中から観光客が押し寄せる、有名リゾート地です。

視界に広がる青い海と白い砂浜には目を奪われ、心地よい常夏の風には心を洗われます。南国の楽園とも称されるセブ島に移住をすれば、非日常的な毎日が送れること請け合いでしょう。

家族連れやカップルだけはなく、おひとりさまにも愛される大人気スポットです。

ダバオ

ダバオはフィリピン第3の都市で、大自然の恵みを満喫できます。

都市部でありながら混雑が少なく、美しい海まで広がっているのですから、移住には適した土地でしょう。台風や地震などの自然災害が少ないという点も、安全な海外生活を送る上で大きなメリットです。

トロピカルな果物の栽培が盛んなので、ぜひ目と舌で楽しんでみてください。

マニラ

マニラはフィリピンの首都です。ホテルやレストラン、ショッピングモールなど、優雅な海外生活を送るのに欠かせないアイテムが全て揃っています。

そびえ立つ高層ビル群を遠くから眺めると、まるで日本の新宿や、アメリカのニューヨークを錯覚させます。今後も都市部は拡大されてくので、フィリピンが発展途上だと言われる理由がよく分かるでしょう。

ヨーロッパ調のお洒落な建物も多いので、セレブ気分で毎日を過ごせます。観光名所も多いことから、旅行にも人気のエリアです。

フィリピン移住の条件は世界一優しい

カラフルなリングノートが重ねられた文具の山

事実上、フィリピンに移住するための条件はビザの取得のみです。

その内容も、EU諸国と比較すれば非常に緩く、世界一移住が簡単な国と称する人もいます。

また、物価が安く温暖な気候など、日本人の海外移住に適した条件もクリアしており、老後の生活だけではなく、子供の語学留学としても最適な環境が整っています。親日家が多い国民性は、初めての海外移住に対する不安を大きく軽減してくれるでしょう。

フィリピンは美しく、優しい国です。日本も負けずに良い国ではありますが、第二の人生をフィリピンで送ることにより、これまでの生活を優雅に一変させることが可能です。

たった一度の人生です。悔いのないよう、好きなように生きてください。

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