定年後に海外移住するメリット・デメリット|後悔のない生き方を!

白いデスクに置かれたノートとノートパソコン 海外移住

人生100年時代と言われていますが、老後の生活について考えていますか?

「老後2,000万円問題」という言葉が広まって久しいですが、ここまで現実的な数字を突きつけられては夢もへったくれもないでしょう。一寸先は闇とでも言いましょうか、我々の老後に明るい未来が広がっている光景が想像できません。

それなら、自ら闇を払ってはいかがでしょうか。

日本という国を飛び出し、光に満ちた異国の地で悠々自適なセカンドライフを送ることは、後悔のない幸せな人生を送るための秘策とも言えます。本記事では、定年後の海外移住に関する情報を全て解説していきます。ぜひ老後の生き方の参考にしてください。

定年後に海外移住するメリット

クロワッサンとコーヒーのある勉強用デスク

定年後の海外移住が人気を集めています。

なぜなら、憧れの国に住みながら、老後の生活資金や介護など、様々な問題が解決できるからです。会社を定年退職した後に夢だった海外生活に身を投じる日本人は非常に多く、近年ではちょっとしたブームになっています。

保険会社だけではなく、旅行会社までも老後の海外移住をサポートするサービスを展開しており、今後はますます定年後の海外移住者は増えることが予想されるでしょう。

では、なぜ定年後の海外移住に魅力を感じる人が多いのでしょうか?

代表的な例を紹介します。

憧れの国に住める

密かに憧れを抱いていた国で暮らせることは、海外移住の醍醐味と言えるでしょう。

  • 美しい西洋の街並みや
  • 雄大な世界遺産
  • 透き通るような海

など、自分が夢見ていた環境で新しい人生を始めるという選択肢は、定年後というあらゆるしがらみから解放された立場だからこそ満喫できるもの。

第二の人生を別世界で送るというのは、非常に魅力的なプランではないでしょうか。

新しい出会いが待っている

生活する国や街が変われば、人間関係も大きく変化します。移住先では、現地の人間との様々な出会いが待っているでしょう。

日本では、60歳を過ぎてから新たな人間関係を築くことは難しいです。仕事やプライベートで関わる人間は固定されており、新しい趣味でも初めて交流を広げていかない限り、友人や知人が増えることはありません。

海外に移住すれば、必然的にゼロから人間関係を築く必要があります。最初は文化の違いで戸惑うこともあるでしょうが、外国人はオープンな性格の方が多いので、すぐにファミリーのように迎え入れてくれるでしょう。

定年後にできる友達は、一生ものです。

裕福な生活ができる

定年後に海外移住をする理由として、日本より物価の安い国に住めば裕福な生活ができるという点が人気を集めています。

近年のインフレはまさに頭を抱えたくなるような有様で、今後の物価の上昇が続くのであれば、年金だけで生活が成り立つなど夢のまた夢です。

そこで、賢い方々は日本と変わらない生活水準でありながら、物価が各段に安い国へと移住を開始していきます。手取りの収入が変わらないのであれば、物価の安い国で生活するほうが遥かに裕福な思いができるでしょう。

東南アジア圏内であれば、年金収入だけで貴族のような生活を送ることも可能です。

貯蓄ができる

物価の安い国に移住をすることで、裕福な生活を送るだけではなく、貯蓄に回す余剰資金を生み出すことも可能です。

日本であれば節約をしても年金収入だけでは足りず、これまでの貯金を切り崩しながら生活をすることが普通です。当然ながら貯金はできず、毎月の収支はほぼマイナスとなります。

ところが、物価の安い海外であれば節約など気にせず生活できるだけはなく、むしろお金が余るケースがあります。余ったお金は貯蓄に回し、日本に帰国した際に豪遊するという使い方も気持ちが良いでしょう。

理想の気候で暮らせる

人間は年齢を重ねるにつれ、日々の気候と体調管理の結びつきが強くなります。そのため、せっかく海外に移住するのなら、自分にとって理想の気候で暮らすと良いでしょう。

人は加齢の影響で寒がりになると言いますが、それは本当のことです。年を取ると身体の筋肉量が低下し、体内から熱を発する力が弱くなることで身体が冷えやすくなります。

なるべく寒暖差のない穏やかな気候で過ごすことは、定年後の健康維持には非常に重要です。

介護の問題から解放される

あまり知られていませんが、海外では日本と比較して安い費用で介護面を充実させられます。

定年後は自分も高齢者の仲間入りを果たしていることから、介護という新たな問題が出てきます。日本の介護施設や療養型の病院はお世辞にも安いと言えず、かと言って家族に迷惑をかけながら自宅で介護をしてもらうことも心苦しい。

そんな現実的かつシビアな問題を、海外に移住することで解決することができます。

国もよりますが、フィリピンなどの東南アジアであれば、月1~2万円ほどの費用で自分専属の介護士を雇うことが可能です。

物価が安いことから自宅のバリアーフリー整備も行いやすいので、日本でお金や人間関係に神経をすり減らしながら介護生活を送るより、海外で誰にも気兼ねなく悠々自適な介護生活を送るほうが遥かに有意義な時間でしょう。

定年後に海外移住するデメリット

図書館の書架と通路が並ぶ明るい館内

定年後の海外移住には夢と希望が詰まっていますが、残念ながらデメリットも存在します。

しかし、事前に問題点を把握しておくことで、現地での生活で起こりうるトラブルを回避するための対策が立てられるでしょう。

今回は特に重要だと思われるデメリットを解説していきますので、しっかりチェックしてください。

ビザの取得が困難

海外に移住するには、ビザの発行が不可欠です。ビザの種類は国よって異なりますが、60代以降の海外ロングステイであるなら、リタイアメントビザの取得が一般的でしょう。

一口にリタイアメントビザといっても、取得条件は様々です。その多くが経済証明の添付が必要となります。

取得条件にしても、預金が〇〇万円以上などと厳しい条件を突きつけてくる国もあり、貯蓄が少ないとビザの申請すら受け付けてくれない国も存在するのです。

事前にビザの発行条件が緩い国を選別しておくと、手続きもスムーズに行えるかもしれません。

生活水準が下がる

日本は世界的に見ても生活水準の高い国ですので、海外に移住をすることで生活に不便さを感じる恐れがあります。

24時間営業の飲食店やコンビニエンスストアは日本では当たり前ですが、海外ではそもそも住まいの近くに飲食店や商店が存在しないことがあります。車で数キロ離れた場所に、ポツンと一軒だけ個人商店があるケースも少ないありません。

便利な生活に慣れているがゆえに、日本での生活と比較して大きなギャップを感じることがあるでしょう。

適切な医療が受けられない

定年後といえば、年齢的には高齢者に分類されます。そこで心配になってくるのは体調管理ですが、海外では適切な医療が受けられないケースがあります。

国よっては日本のように医療体制が整っておらず、民間の医療保険に加入したとしても、高額な医療費が発生する場合があるのです。

定年後に海外移住をする際は、外国人でも加入ができる公的医療保険制度が存在するか調べておきましょう。

物価が上昇する可能性がある

物価の安さが魅力で移住をしても、その安さが永久に保障されるわけではありません。

世界経済の動きによっては、急激な物価上昇による生活費の圧迫も否定できないでしょう。老後の生活費を抑えるために海外に移り住んだのに、贅沢な生活ができないのでは本末転倒です。

文化や価値観に馴染めない

日本と海外の文化は、様々な点で異なります。

言語や風習だけではなく、価値観もがらりと変わってしまうでしょう。日本では当たり前のことが、海外では非常識になるケースもあるので、良かれと思ったことでもトラブルに発展することがあるのです。

特に食事に関しては無視することができません。和食の繊細な味付けに慣れている方は、海外の食事が口に合わず、ホームシックになるパターンが多いです。

こういった異文化に馴染むことができず、海外生活をリタイアする可能性も考慮してください。

定年後の海外移住前に済ませておくこと

木製テーブルでノートにペンを走らせる勉強中の手元

定年後の海外移住を実現するには、事前準備としていくつか済ませておくことがあります。これらを怠ると、自分が現地の生活で困るだけではなく、日本に残してきた家族にも迷惑をかける恐れがあるのです。

非常に現実的な問題ゆえに、些か気分を白けさせてしまうかもしれませんが、余計なトラブルを招かないためにも、日本でのやり残しは絶対になくしてください。

財産を処分しておく

日本に残してある財産は、忘れずに処分しておきましょう。

特に自宅などは、残しているだけで税金や管理費が発生します。手入れをする家族の労力を考えれば迷惑になりかねないので、日本に戻ってくる予定がないのなら、売却して渡航資金に充てたほうが現実的です。

相続問題を解決しておく

いつの世も、相続は大きな問題です。

自宅だけではなく、会社や不動産、株式などの財産があるのでしたら、海外移住前に誰に譲るのかハッキリさせておいてください。

一番簡単な方法が遺言書を作成することです。自分がこの世を去った後、残された遺族が骨肉の争いをしないよう準備をしておきましょう。

語学の勉強をしておく

どの国に移住をするにしても、最低限の語学の勉強が必要です。

現地では日本語が通じませんので、あらゆるやり取りが外国語になります。英語であれば知っている単語を並べることで何とか会話が成立するケースもありますが、ドイツ語やスペイン語ではそうはいきません。

衣食住の確保も言葉でのコミュニケーションが成立してこそなので、しっかり予習はしておきましょう。

海外の移住先を選ぶポイント

暖炉のある部屋でノートパソコンと本を使った学習風景

移住先は寒暖差の少ない温暖な国であり、物価の安い国が理想的ですが、そのほかにも国選びで重要視しておきたいことが存在します。

快適な海外生活を送るためにも外すことができないポイントですので、欠かさずチェックしてください。

治安が良く住みやすい

海外は物騒な国もあるので、治安の良さは重視してください。特に夫婦ではなく、おひとりさまでの移住であるなら尚のことでしょう。

昼間に道を歩いていたら突然ホールドアップされることはないでしょうが、スリや置き引き、金銭トラブルなどは日常的に起こり得る問題です。

言い方は悪いですが、日本人はカモにされやすいので、用心するに越したことはありません。

親日家が多い

海外では、フィリピンやマレーシアのように親日家の多い国があります。逆に、ヨーロッパ圏ですと、あからさまに差別を受ける恐れがあります。

言葉が不自由な場合は、日本人に対して好印象を抱ている国民性は非常に有難いメリットです。困っていれば積極的に手助けをしてもらえますし、無暗に絡んでくることもないので、人間関係のトラブルも回避できるでしょう。

インフラが整備されている

生活水準の維持を重視するなら、インフラ整備は欠かすことのできないポイントです。

電気・ガス・水道はもちろんですが、インターネット回線も整備されていなければ快適な生活を送れないでしょう。

海外ではインフラ整備が遅れている国もあるので、十分に注意をしてください。

定年後の海外移住先で人気のある国

赤いペンでノートにメモを取る手元のクローズアップ

理想と移住先となるポイントをいくつか挙げましたが、世界は皆さんの想像よりも広く、どこの国がベストなのか具体的なイメージが湧きにくいことが予想されます。

温暖な気候で住みやすく、物価が安くて安全な国はどこでしょう。

ここからは、そんな理想郷を3ヵ国に絞って解説をします。皆さんの理想の国選びの参考にしてください。

フィリピン

フィリピンは英語が通じるため言葉の壁が低く、年間をとおして温暖な気候に包まれた住みやすい国です。

日本と比べて物価も安く、月間10万円で裕福な生活が送れると言われていることから、特に節約を意識しなくても遊んで暮らせます。

セブ島は世界有数のリゾート地であることから、美しい海に囲まれたリッチなセレブ暮らしも夢ではありません。

親日国であることから、現地の人間が日本人に有効的という点もポイントが高いでしょう。

タイ

タイは世界遺産が多い歴史ある国で、微笑みの国と称される穏やかな国民性が魅力的です。

物価の安さと親日国家という点も大きなメリットで、毎日のように観光名所を訪れても裕福な生活を送れます。

マレーシア

物価が日本の三分の一と言われているマレーシアは、世界中の旅行者から注目されるリゾート地でもあります。

のどかな自然と美しいビーチに囲まれながら生活ができれば、まさにバラ色の老後が送れると言えるでしょう。

英語が通じるという点も、日本人には住みやすいポイントです。

定年退職後の海外移住に関する年金制度

年季の入った古書のクローズアップ

年金は、老後に欠かせない収入源です。なぜなら、不動産や株などの不労所得でもない限り、定年退職後はどこからも収入を得られないからです。

では、仮に海外移住をした場合、日本で支給されるはずだった年金はどこに行ってしまうのかご存じですか?

これまで毎月払ってきた年金が無駄にならないか不安を募らせる方のために、海外移住後の年金制度に関して詳しく解説をします。

定年後の海外移住者にも日本の年金が支給される

定年退職後に日本を離れたとしても、受給要件を満たしていれば必ず年金は支給されるので安心してください。

しかし、何の手続きもなく、年金の支給年になれば自動で振り込まれるわけではないので注意が必要です。

海外で生活を送りながら日本の年金を受け取るには、事前の申請を済ませておく必要があります。これは、既に日本で年金を受け取っている場合でも同様です。

年金は老後生活における唯一の収入源となる方が多いので、必ず受け取れるよう手続きを済ませておきましょう。

海外で年金を受け取るための手続き

海外で年金を受け取るには、日本で定められた手続きを漏れなく終える必要があります。

内容 詳細
年金請求書の取得先 日本年金機構のサイト
添付種類
  • 戸籍謄本
  • 戸籍抄本
  • 戸籍の記載事項証明
  • 住民票など
  • 振込を指定する銀行口座の通帳
  • 銀行コードが分かるもの
提出時期 老齢年金の受給開始年齢に到達した日(誕生日前日)以降
提出先 日本での最終所在地を管轄する年金事務所か年金相談センター
スクロールできます

年金の振り込み先を海外の銀行口座にする場合、銀行コードだけではなく、口座証明や通帳の写しを添付する必要があります。

銀行コードを調べるのも日本と違い一手間なのです。問題がないようなら、日本の銀行を振込先に指定したほうが手続きが楽です。

定年後の海外移住は人生の集大成

眼鏡が置かれたブランケット上のペーパーバック

定年後の老後を海外で過ごすという選択肢は、残された人生の中でも一大決心と言えるでしょう。

故郷を離れ、定年後に遠い異国の地で外国人に囲まれて生活することは、想像よりも刺激と安息に満ちています。自分の理想とする気候で生活ができることはもちろん、金銭面での圧迫や介護など、様々な問題が解決できることも大きなメリットです。

人生の集大成として、敢えて新しい環境に飛び込んでみてください。きっと残りの人生を豊かに過ごせるでしょう。

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