海外移住のメリット&デメリット|幸せな外国暮らしの手引きを公開!

木製テーブルの上に積まれた古本の山 海外移住

近年、日本を飛び出し、異国の地で第二の人生を始める方が増えています。

海外移住に夢と希望を託すのは結構ですが、知らない国で生活をするメリットやデメリットをきちんと把握していますか?これを知らずに世界に羽ばたいても、夢半ばで挫折することが目に見えています。

本記事では、闇雲に海外移住に踏み出そうとしている方のために、異国の地で暮らすメリットとデメリットを余すことなく解説をしていきます。幸せな移住生活を送るためにも、ぜひ参考にしてください。

海外移住のメリット

鉛筆が挟まれた小説の積み重ねられた本

生活の基盤を海外に移すことで、人生がどのように豊かになるのか解説をしていきましょう。

日本という故郷を飛び出し、新しい世界に羽ばたくことで、自分にとって財産となる貴重な経験を積めるはずです。

語学力の向上につながる

海外に移住すれば、否応なしに語学力は向上していきます。

日本語は日本独自の言語です。表現や発音が難しい言葉とされ、海外ではまず使われることがありません。

そのため、海外移住をすれば、新たに言葉の勉強をする必要があります。英語なら日本人にも馴染み深い言語ですが、誰しもが高い英会話能力を持ち合わせているわけではないでしょう。

片言の英語では相手に通じないことも多く、逆に相手の言っていることも理解ができないため、一般的な日常生活が送れない恐れがあります。

そうなると、取るべき道は1つです。生きるために英語を必死に勉強するしかありません。言葉が通じなれば人とコミュニケーションを取れず、仕事や買い物も満足に行えません。

その結果、移住前は片言だった英語が、他人が羨望の眼差しを向けるほど流暢になっているというケースは往々にして存在します。好きで勉強したわけではなくとも、生きるために英語が上達すれば、結果オーライといえるでしょう。

これは英語に限らず、ほかの国の言語でも同じことです。生きるために必死に言葉を学び、必然的に語学力が向上していくのです。

日本での生活から脱出できる

日本での生活に満足できていない方は、海外移住が適しているかもしれません。人によって価値観というのは大きく異なり、狭い日本での暮らしに息苦しさを覚える方もいるでしょう。

日本は規律を重んじる風習が強く、それによって人間関係や、職場の雰囲気に強いストレスを感じるケースがあります。外国人は、日本人は真面目だと頻繁に評しますが、裏を返せば融通が利かず、頭が固いと言っているようなものです。

もっとオープンな人間関係や職場環境を求めている方には、海外のライフスタイルのほうが性に合っている可能性があります。日本という規律で縛られた島国から脱出できることが、海外移住の大きな魅力だと言えるでしょう。

新しい人生が幕を開ける

生活の場を海外に移すことで、第二の人生が始まります。海外と日本の生活では、下記のように何もかもが異なります。

  • 街並み
  • 建造物のデザイン
  • 言葉
  • 感情表現
  • 食文化
  • 気候
  • 人種

特に異国の街並みに憧れを馳せる日本人は多く、敢えて大袈裟な表現を使うなら、物語の世界に飛び込んだような錯覚すら覚えることでしょう。空気の匂いまで違うと話す方もいます。

高層ビルが並ぶ見慣れた世界に別れを告げ、絵画のような美し街並みに足を踏み入れた瞬間こそ、新たな人生の幕開けなのです。

理想の気候で暮らせる

理想の気候で暮らしたいがために、海外移住を決断する方も多くいらっしゃいます。

例えばサーフィンが趣味で毎日でも海に入りたいという方は、年間をとおして温暖な気候に包まれた国を移住先に選ぶのが良いでしょう。逆に、スキーに没頭したければ雪国を選ぶ必要があります。

日本は四季の移り変わりが美しい国ではありますが、そこに魅力を感じない方も少なからず存在するということです。

新たな出会いと別れが待っている

異国の地での出会いと別れも、海外移住の醍醐味だと言えます。

海外で生活することにより、これまでの人間関係を一からリセットできます。狭い日本で新たな人間関係を構築しようと思っても難しいですが、海外移住をすれば新しい出会いの連続です。新生活が落ち着くまでは、毎日違う顔を見ることになるのです。

仕事上の頼もしい仲間、自分を温かく迎え入れてくれた大切な友人、そして生涯のパートナー。

当然、辛い別れも経験するでしょうが、その全てが人生において宝物となるはずです。今の人間関係に息苦しさや物足りなさを感じているようなら、思い切って海外移住してみても良いでしょう。

異国で様々な経験を積むことで人間として成長できる

海外での生活は新しい刺激の連続です。日本人と外国人では価値観そのものが異なりますので、移住して暫くは様々なカルチャーショックを受けることになります。

ですが、この経験が人生の経験値を上げてくれます。楽しいことも辛いことも、その全てが人間として成長するための糧となってくれるでしょう。

日本で生活をしていると環境そのものを変えることが難しいので、自分の世界を広げられません。特に社会人となって働き出し、そこそこの経験を積んでしまうと、人は保身を身に付けます。世渡りのノウハウを駆使し、わざわざ好き好んでリスクに飛び込む機会は少ないと言えます。

そんな刺激不足の人生を変えるには、生活をする国そのものを変えることは必須かもしれません。

自分の個性を前面に出せる

日本では個性的な人間は敬遠される傾向にありますが、海外ではそんな心配はいりません。

個性も立派な才能の一種のだと認められているため、他人に臆することなく自分という人間を表現できるでしょう。

世界レベルで活躍している方々は、誰もが個性的だと思いませんか?

ファッションやビジネスにおいて、個性は強い武器です。日本では変人扱いされても、海外であれば一目置かれる存在になれます。

出る杭は打たれると言いますから、当然ながら妬みを買う可能性は否定できません。それでも、周囲に合わせることで自分の才能を発揮できないことは、宝の持ち腐れだと言えるでしょう。価値観の広い海外で、自分の可能性に挑戦してみてはいかがでしょうか。

休暇がきちんと取れる

日本は決して休暇の多い国ではありません。6.5年以上の勤務年数があれば、年間で20日間の有給休暇を与えられますが、その全てを消化できる人はなかなかいないでしょう。

一方で、海外では積極的に休暇を取るシステムとなっています。なぜなら、しっかり休むことで心も体もリフレッシュでき、生産性が上がると考えられているからです。

海外から日本に来る観光客の滞在日数で最も多いのが、7~13日間です。最低でも1週間以上は滞在しており、2週間以上も観光を楽しむ猛者もいます。日本人の感覚すれば、ちょっと信じられないことです。

バガンス休暇をしっかり取り、仕事とのメリハリをつけることでモチベーションアップが期待できます。毎年バガンスの計画を立てることが楽しくなるでしょう。良く遊んで、良く働く。海外に移住をすることで、そんな理想の生活環境を整えられるでしょう。

子育てがしやすい

国によって子育て事情は異なりますが、日本よりも子育てがしやすい国は多く存在します。

  • 医療費無料
  • 大学までの教育費無料
  • 出産費用無料
  • 男女平等に育休が取得できる

上記のような条件が揃っている国もあり、国自体が子育てに積極的であることが分かります。その反面で、税金が高いなどのデメリットもありますが、様々な子育て支援が受けられる国に移住をすれば、我が子がすくすくと成長していく姿を楽しみながら見守ることができるでしょう。

何より、日本では働き過ぎで家族と過ごす時間が疎かになるサラリーマンでも、海外では子供とゆったりした時間を多く過ごせることが嬉しいポイントです。

日本より老後の福祉が充実している

皆さんは、ご自分の老後を想像したことはありますか?

ご存じないかもしれませんが、日本の高齢化というのは世界から見ても恐ろしい速度で加速しています。内閣府の発表では、日本の総人口のうち、65歳以上の高齢者が占める割合が28.4%にも達しており、令和18年には3人に1人が65歳以上の高齢者だと言われています。

そんな超高齢化社会では、介護職の人員不足や物価の高騰が重くのしかかり、年金だけでは生活できない極貧老人が増えているという問題も広がりを見せているのです。

もちろん国も黙って傍観しているわけではありません。問題解決のためいくつかの政策を打ち出していますが、先進国に比べれば些か見劣りすることは否めません。

とある国では、高齢者の医療費や介護費は全て無料。年金額の充実だけではなく、年金の掛け金を支払ってこなかった方にも生活に必要な最低限の金額が支給されるなど、至れり尽くせりのサービスが受けられるのです。

現役を退いたら、何の心配もなくのんびり暮らしたい。海外では、そんな夢のような生活が保証されている国も存在します。

移住先によっては災害が少ない

日本は、災害の多い島国です。近年は理不尽な天災に見舞われ、全国各地に深い爪痕が残っています。

災害の後遺症は人の心にも大きな影響を及ぼします。中には強いPTSD(心的外傷後ストレス)障害に悩まされ、日常生活を満足に送れない方もいるほどです。

いつか自分も被災者になるかもしれない。そんな不安を解消したいのであれば、海外に住むことも1つの方法だと言えます。

海外でも同様に地震や津波などの災害が多い国もありますが、異常気象・天変地異が起こりにくい地域も存在するのです。神に愛されていると称されるほど災害と無縁な国もありますので、そういった国で不安なき生活を送れることも、海外移住のメリットでしょう。

帰国後のステータスになる

学校や会社で帰国子女が否応なく注目を集めるように、外国帰りはちょっとしたステータスとなります。

語学力の高さはもちろん、外国人のようなスケールの大きい考え方や、価値観の広さを身に付けることで、企業にとって貴重な人材として高く評価されるでしょう。

海外での勤務経験のある人間に出世を約束する大企業も多く、将来の成功を掴み取るためにも、早い時期から世界の荒波に揉まれることは貴重な経験となります。

物価の違いで裕福な暮らしができる

日本よりも格段に物価が安い国はたくさんあります。そういった国に移住をすることで、まるで王族のような優雅な暮らしを送ることも不可能ではないはずです。

物価や生活費の安い代表的な地域は、東南アジアです。

日本の半分以下の生活費で暮らすことができ、現地の人間が日本人に慣れているという点も大きなメリットでしょう。東南アジアであれば、今流行りのFIRE(早期退職して資産運用だけで生活すること)も十分に可能でしょう。

日本では味わえない贅沢な暮らしを夢見るのであれば、東南アジアに移住するのは悪くない選択肢だといえます。

税金対策ができる

海外で生活するだけで節税が行えることをご存じですか?

日本は世界で見ても税金の高い国ですので、高額納税者ほど生活拠点を海外に移す傾向にあります。

世界には法人税や所得税が日本よりも格段に安く、相続税も発生しないことから「タックスヘイブン(税金天国)」と呼ばれる国も存在するのです。

自分で稼いだお金はなるべく国に渡したくないという方は、海外での生活が向いているかもしれません。ただし、不動産など日本に残してある財産には日本の税額が適用されますので、移住前に査定をしてもらい、売却などの手続きを済ませておくことをおすすめします。

海外移住のデメリット

アルファベット順に分類された図書館の書架

海外移住をした先に待ち受けるものは、必ずしもメリットだけとは限りません。

海外生活という言葉には華々しいイメージがありますが、知らない土地で暮らすということは言葉にするほど簡単なものではないのです。マイナス面もしっかり把握しておかないと、移住先でとんでもないトラブルに巻き込まれることもあるでしょう。

日本人が海外に住むとやばいと言われる理由もここにありますので、海外移住のデメリットを必ずチェックしてください。

ビザの取得に時間がかかる

海外移住を決断したとき、パスポートさえあれば問題ないと思っていませんか?

残念ながら、それは大きな間違いです。海外に長期滞在する場合はビザの申請が必要なのですが、これが意外と手間のかかる作業となります。

観光や留学であれば、観光ビザや学生ビザの取得や延長で済みますので、そこまで面倒ではありません。しかし、就労や永住ともなれば話は別です。

海外で仕事に就く場合には「就労ビザ」が必要になりますが、一口に就労ビザといっても、取得条件は国によって異なります。

例として、経済の中心であるアメリカと、東南アジアで日本人の永住先として注目を集めているフィリピンの就労ビザ取得条件を比較してみましょう。

項目 アメリカ フィリピン
就労ビザの種類(名称) H-1B、L-1など 9G
就労ビザの取得条件
  • 原則大卒以上
  • 就業内容に応じた単位・職務経歴・実績など
特になし
必要書類
  • 卒業証明書
  • 職務経歴書など
  • 職務経歴書
  • 健康診断書
  • 犯罪経歴証明書など
その他
  • 就労ビザに加えて、就労許可(i-129)が必要
  • 年間のビザ発行数に制限がある
就労ビザに加えて、就労許可(AWPかAEP)が必要
スクロールできます

2ヶ国を比較すると、フィリピンのほうが圧倒的に取得条件が緩いことが分かります。

また、海外で就労ビザを取得する際は、事前に勤務先から内定をもらう必要もあります。つまり移住してからゆっくり就職活動をするつもりでは、就労ビザは発行されないということです。

まずは海外に拠点を移し、そこでの新生活を楽しみながら仕事を探したいという方は、長期滞在ビザや永住権のあるビザを取得すると良いでしょう。こちらも国ごとに取得条件が異なりますが、やはりフィリピンなどの東南アジアは、条件が緩いことに加えて費用が安いのでおすすめです。

現地での生活基盤を整えることが大変

異国の地で新生活をスタートさせるには、衣食住などの生活基盤を整えることが重要ですが、これが案外大変な作業となります。

住む場所を決める際も、当然ですが現地の不動産屋に物件を紹介してもらうことになります。自分の希望が上手く伝わらなかったり、契約段階で双方に認識の誤りがあったりと、様々なトラブルが発生する可能性があるでしょう。

日本語が話せるコーディネーターや、日本人スタッフが常駐している企業に頼ることでスムーズに生活環境を整えられますが、国によっては100%現地の人間と交渉を強いられることになります。

また、海外移住ではかかりつけ医が見つからず、最適な医療を受けられない問題も起こります。日本では保険証さえ持っていれば、初めての病院やクリニックでも医師の診察を受けられます(待合時間は長いですが)。

ところが、先進国を始め、様々な国の医療機関では完全予約制を採用しており、診察の順番が回ってくるまで何日・何週間も待つケースがざらにあります。耳鼻科や眼科などの専門医の診察なら、数ヶ月待ちということも珍しくありません。

このように住むところを始め、医療や就業など、現地での生活基盤を整えることは一筋縄ではいかぬということを覚えておいてください。

言葉の壁にぶち当たる

日本語が通じないということには、自分の語学力を否応なく高められるというメリットと同時に、周囲と上手くコミュニケーションが取れないというデメリットにもなり得ます。

特に移住初期は自分1人の力では解決できないことが多く、何かと周囲の助けを必要とするケースがあるでしょう。

他人に無関心な傾向のある日本人とは異なり、外国人にはフレンドリーな方が多いです。あなたが困っている姿を見れば、あちらから声をかけてくれることもあるでしょう。そんなとき、言葉の壁は人間同士の距離を縮めることを容赦なく妨害します。英語の通じない国であったら尚のことです。

言葉が通じないせいで異国の地に恐怖心を抱き、早々に日本にとんぼ返りをする方もいらっしゃいます。それほど言葉でのコミュニケーションというのは重要なのです。日常生活だけではなく、仕事を始めるにあたっても他人との会話は必須です。

海外で何不自由なく生活をしたいのであれば、せめて移住先で日常会話が問題なく行えるレベルまで語学力を上げておきましょう。

異国の文化に馴染めない

それぞれの国には独自の文化があり、多くの旅人を魅了してくれます。日本の文化は外国人から見ると非常に魅力的に映り、近年では訪日外国人の数が増加の一途を辿っています。

しかし、日本人から見て外国の文化が魅力的かと言えば、一概にそうであるとはいえません。

例えば無宗教者の多い日本とは異なり、中東諸国では国民の多くがイスラム教徒です。毎日の礼拝から始まり、豚肉やアルコールを口にできないなど厳しい制約が存在しますので、日本で贅沢な暮らしをしてきた方は馴染むことが難しいでしょう。

そのほかにも、挨拶にハグやキスを用いたり、キャベツやポテトを食べるときはナイフを入れてはいけないなど、その国独自の風習に息苦しさを覚える恐れがあります。

日本食が食べられないという点も大きなデメリットです。海外での食事は大味なので、味噌や醤油、みりんといった繊細な味付けが恋しくなるでしょう。

自分が移住をする国にはどのような文化があるのか、自分はそれに適応できるのか、事前によく調べておくことが重要です。

アジア人ということで差別を受ける可能性がある

悲しいことですが、未だに世界中で差別行為はなくなっていません。

白人主義者による黒人の扱いや、アジア人の軽視など、政治やスポーツに限らず、日常生活でも至るところで差別が行われています。

「アジアン・ヘイト」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?

簡潔にいえば、アジア人や、アジア系アメリカ人に向けられる増悪のことで、言葉や暴力などによる差別行為を意味します。実際に近年はアジア人が突然奇襲を受け、複数人から一方的に暴力を振るわれるといった事件が発生しているのです。

特にアメリカでは19世紀頃からアジア人に対する差別意識が強くなり、トランプ氏が新型コロナウイルスを「チャイナウイルス」と称したことで拍車がかかりました。

こういった背景から、仕事や日常生活で嫌がらせをされたり、理不尽な仕打ちを受ける可能性は否定できません。身の安全を第一に考えるのであれば、移住先はアジア人への偏見がない国を選んだほうが良いでしょう。

日本の家族や友人たちに会えなくなる

海外移住では新しい出会いが待っているとはいえ、日本の家族や友人たちと別れることは、身も心も引き裂かれるような辛さでしょう。

大人になればそれぞれが仕事や家庭を持ち、好きなときに友人同士で集まることも難しくなります。しかし、同じ日本に住んでいれば、会おうと思えば会えます。

これが海外となるとそうはいきません。友人たちに会うために休暇を申請し、航空券を手配しなければなりません。ちょっと仕事帰りに東京から神奈川まで県を跨いで会いに行くのとはレベルが違うでしょう。

時間もお金もかかるので、必然的に家族や友人たちとは疎遠になります。その寂しさを忘れるくらいに海外移住を満喫できれば良いのですが、そうでなければホームシックになり、辛い日々を過ごすことになるかもしれません。

移住先で友達ができない

誰しもが、海外移住後に素晴らしい出会いを経験できるわけではありません。

元々が引っ込み思案な方は、外国人の過剰なスキンシップに苦手意識を抱いてしまい、仕事以外では距離を置こうとしてしまうかもしれません。

せっかく食事やレジャーに誘ってもらっても、周囲のテンションの高さについていけるか不安になり、何かと理由をつけて断ってしまうことが目に見えています。

そうなればつまらない奴だと認識されてしまい、いつしか周囲から孤立する羽目になるでしょう。異国の地だからこそ人間関係を広げていく必要があるのに、人付き合いが苦手なために自ら孤独を選んでしまう日本人は非常に多いです。

現地の友人や知人を頼っていくなら話は別ですが、単身で乗り込むのであればコミュニケーション能力を磨くことは必須だといえます。

移住先によっては物価が高くて貧乏になる

日本では想像もできないような贅沢ができる国がある一方で、物価が高くて逆に貧乏生活を送らなければならない国もあります。せっかく夢の海外移住を果たしても、お金がない悲惨な極貧生活しか送れないのでは、必ず後悔することになるでしょう。

海外の物価が高い理由には、2つのパターンがあります。

1つ目の理由は、購入する商品の品質や、専門店で受けられるサービスが桁違いに優秀だからです。

これは日本でも同じことですが、高級なお肉を食べに行けば高額な飲食代を請求されますし、格式高いホテルに宿泊すれば高額な宿泊費が請求されます。

海外では、日常生活で使う雑貨やサービスの全てが高品質なため、必然的に物価が高くなってしまう国もあるのです。その代表的な国がスイスですが、2022年の「駐在員が住みたい国ランキング」で1位のシンガポールも、近年は物価が高騰しています。

2つ目は、仕事で得られる平均年収が高いから物価も高いという理由です。

国全体をとおして高額な報酬が約束されている代わりに、コーヒー1杯飲むのにも、日本の2倍以上の料金を支払うケースがあります。こういった国に移住をしてしまうと、ビジネスで大きな成功を収めない限りは、お金に縛られる生活を送ることになるでしょう。

日本のように利便性に富んでいない

海外に移り住んで、初めて日本での生活の便利さに気が付くケースがあります。海外在住の日本人の多くがとおる道であり、生半可な覚悟で海外移住を検討している方には、思わず「やめとけ」と忠告を送りたくなるポイントです。

日本に住んでいれば当たり前のことでも、海外ではそうはいかないことが非常にたくさんあるのです。

  • 電気・ガス・水道・ネット回線など整備されたインフラ
  • 24時間営業のコンビニや飲食店
  • 探せばすぐに見つかる最寄りの医療機関
  • 電車やタクシーなど充実した移動手段
  • 常に綺麗な道路や歩道
  • ホスピタリティの高いサービス

上記はほんの一例ですが、日本独自の利便性はまだまだあります。

こういった環境での生活に慣れていると、多少でも劣悪な環境に身を置くと肉体的にも精神的にも疲弊してしまい、日本での生活が恋しくなります。結果、自分には海外生活は向かないと見切りをつけることになるでしょう。

海外での生活は華やかだと夢見ている方ほど、理想と現実のギャップに耐えられなくなることが予想されます。

治安が悪い国もある

アジア人に対する差別は別に、国自体の治安が悪いケースもあります。

治安が悪いといっても誤解しないでください。この章で解説するのは、スリが多いや、夜の街の1人歩きは危険などということではありません。

もちろんそれも十分な注意が必要ですが、今回は内戦や地域紛争が起きており、命に関わるレベルでの話になります。好き好んで争いの真っ最中である国に移住する方は少ないでしょうが、住んだ後に突然争いが始まる可能性も否定できません。

こういった事態を回避するには、移住の候補先となる国で、過去数年間で多くの死者が出るほどの争いが起きていないかチェックすることが重要です。特に頻繁に内戦が起きている中東諸国は注意が必要でしょう。

日本人は人質として拉致されるケースも多いので、情報収集は念入りに行ってください。

日本人に人気の移住先

曲線状の本棚が並ぶモダンな図書館の内部

海外への移住先に、東南アジアを選ぶ日本人が増加していることをご存じですか?

アメリカやヨーロッパではなく、なぜ東南アジアなのでしょうか。そこには、非常に合理的な理由が隠されています。この章では、東南アジアで日本人に人気の移住先を3ヵ国に絞り、それぞれの特徴を解説していきます。

フィリピン

まずご紹介するのは、日本人と永住先として高い人気を誇るフィリピンです。

年間を通じて温暖な気候は過ごしやすく、英語圏内ということもあり語学留学にも最適な国で知られています。親日家も多いので、英語で気軽にコミュニケーションが取れるのは有難いでしょう。

フィリピンの中で特に人気の高い地域は、美しい海が自慢のセブ島です。リゾート地としても世界中から観光客が押し寄せてきます。

物価も安いことから生活にもゆとりがあり、若い年代だけではなく、老後をフィリピンで贅沢に過ごすというリタイア組も急増しています。今後ますます移住してくる日本人が増えることが予想されるでしょう。

マレーシア

フィリピンと同じく、親日国であるマレーシアも移住先にはおすすめです。

マレーシアは、2006年から2019年まで「住みたい国14年連続No.1」に輝いています。その大きな理由には、整備されたインフラや、高い生活水準に対して物価が安いことが挙げられます。

気候的にも住みやすく、東南アジア諸国とのアクセスも良いので、旅行好きにも適した国だと言えるでしょう。時差の心配がないことも安心です。

タイ

最後にご紹介するのは、タイです。

東南アジアの中で観光先としても人気のタイですが、温暖な気候や物価の安さに加えて、観光スポットが多いことが移住先としての魅力です。

また、「ほほえみの国」と称されるほど温厚な国民性で、タイの前国王ラーマ9世が日本天皇と親交が深かったこともあり、日本人に好意を持っている点も大きなメリットでしょう。

海外移住に関する心構え

コーヒーと文房具が並ぶ聖書の開かれたデスク

異国の地で暮らすには、いくつかの心構えが必要です。

海外移住という一大決心で大成功を収められるように、事前に注意事項やマインドのもっていき方を頭に刻み込んでおいてください。移住先で悩んだとき、きっとあなたの道しるべとなってくれるでしょう。

面倒な事務手続きを覚悟しておく

海外移住を果たすにはビザの申請はもちろん、常に事務的な手続きがついて回ります。それは実際に移住を終えた後でも同じことです。

移住前には市役所で「海外転出届」を提出し、受理されれば「転出証明書」が発行され、住民票の除票手続きが完了します。近年であれば、マイナンバーカードの返納も必要です。

移住後は住んでいる国や地域によって車の免許を再取得する必要がありますし、日本と同様に住民票や健康保険などの申請も行わなければなりません。

上記の事務手続きはあくまで一例で、実際には細々とした作業が山積みなので覚悟をしておいてください。

柔軟な思考や対応が大切

国民性という言葉があるように、日本人の価値観と外国人の価値観は大きく異なります。

移住直後は様々なカルチャーショックを受け、自分の価値観では受け入れられないケースもたくさん経験するでしょう。ですが、そこが人間として成長できるかどうかのターニングポイントです。

これまでの価値観にしがみつき、自分という人間の世界を広げることができなければ、海外に羽ばたいた意味がありません。

日本ではこうだ、日本人ならこう考えるといった狭い価値観ではなく、外国人の感性ならこうなるのか、と新しい発見を喜び、柔軟に受け入れましょう。その瞬間、あなたの世界に新たな色が加わります。

郷に入っては郷に従えという言葉を、頭に刻み込んでおくと良いかもしれません。

移住先では自分が外国人であることを忘れない

日本に住む外国人を見かけるとつい目で追ってしまうように、海外では自分が好奇の対象となります。

それが友好的であれば問題ありませんが、何かよからぬことを企んでいる輩に目を付けられると面倒なトラブルに発展します。

どこの国とは言いませんが、日本人をカモ扱いして平気で法外な料金を吹っかける飲食店や、お釣りの金額を誤魔化すタクシードライバーもいます。要は舐められているわけです。

よそ者といった響きは好ましくありませんが、海外では自分が外国人であることを意識することで、余計なトラブルを避けられるでしょう。特に防犯意識は強くもってください。

自分が何のために海外移住するか明確化する

海外移住をする際は、自分が日本を離れる理由を明確にしてください。

例えば漠然と海外移住を検討されている方は、自分がどの国に向かうべきか迷っているケースが多いです。

自分は海外で何を成し遂げないのか、どのような生活を送りたいのか、そういったビジョンをもつことで、自ずと移住先というのは絞られてきます。ビジネスで成功したければアメリカ、裕福な暮らしがしたければ東南アジアといった具合です。

また、海外での生活で辛いことがあったり、立ち直れなくなるほどの絶望に襲われたとき、自分の夢や目的を思い出してください。そうすることで胸の中に小さな光が灯り、やがて炎となってあなたを苦しみから立ち上がらせてくれるでしょう。

海外移住で自分の世界を大きく広げよう

木製テーブルでノートにペンを走らせる勉強中の手元

海外移住のメリット&デメリットは、いかがだったでしょうか。

異国の地で生活することは、そんなに簡単なことではありません。文化や価値観の違いに戸惑ったり、言葉の壁に圧し潰されることで神経をすり減らすこともあるでしょう。母親の手料理の味を思い出して涙する夜もあるかもしれません。

ですが、そういった経験の1つ1つが糧となり、人間的に大きな成長を遂げられます。

海外移住には、自分の人生を大きく変えてくれるメリットがたくさんあります。文字通り世界が広がるのです。

今の人生に何か不満があるのでしたら、生活する国を変えるというのは非常に魅力的な選択ではないでしょうか。新しい人生の幕開けを楽しみましょう。

海外移住