海外大学へのオンライン入学|気になるメリット&デメリットとは?

曲線状の本棚が並ぶモダンな図書館の内部 海外留学

近年、海外の大学にオンラインコースで入学する日本人学生の数が増えていることをご存じですか?

新型コロナウイルスの影響により、日本国内では多くの大学でリモート授業が取り入れられました。当初はオンライン授業に対し、戸惑いを隠せない学生が多かったのが印象的ですが、人間は慣れる生き物です。今では、ほとんどの学生がリモート授業に対する違和感を払拭しています。

その動きは海外にまで広がり、日本人留学生は海外大学へのオンライン入学に抵抗を感じなくなりました。

そこで本記事では、オンラインを用いて海外大学に入学するメリットやデメリットなど、気になる情報を解説していきます。

海外大学にオンライン入学するメリット

曲線状の本棚が並ぶモダンな図書館の内部

現地に渡航せず、オンライン上で海外の大学にするというシステムには数多くのメリットがあります。

今後、様々な要因で海外留学を諦めざる得ない学生たちの救済措置ともなるので、ぜひオンライン入学の恩恵をチェックしてください。

語学力の向上が期待できる

海外大学の授業は、当然ながら日本語以外の言葉で進められます。多くの場合は英語を用いますが、国によっては現地の言葉を使う講師もいます。

本場の英語で授業を受けていれば、自然と耳と脳が英語に慣れてきます。最初は講義についていくのが精一杯かもしれませんが、慣れてくれば楽しみながら講義に耳を傾けられるでしょう。自分の興味のある分野を学びながら、自動的に英語も学んでいる状況です。

論文なども全て英語ですので、日本にいながら英語漬けの毎日を送れるでしょう。これは英語力を向上させる上に非常に重要なことで、一般的な英会話スクールに通うよりも、効率的に英語学習を行えます。

英語以外にも、その国の言語で講義が行われれば、嫌でも言葉の勉強をしなければなりません。結果手に語学力がは向上していきますので、まさに一石二鳥といえるでしょう。

学位が取得できる

近年、オンライン授業で学位の取得できる海外大学の数が増えています。現地の学校に通うことなく学士(Bachelor)や修士(Master’s Degree)、博士(Doctor)を取得できることは、非常に大きなメリットです。間違いなく今後のキャリアアップやステータスにつながるでしょう。

海外大学のオンライン授業といえば、「MOOC(ムーク)」が有名です。MOOCとは、原則無料(一部有料の講義あり)で世界中の大学の講義が受けられるオンライン教育システムです。

留学するよりも圧倒的に費用が安いことから利用者が急増していますが、MOOCではいくら講義を受けても学位を取得できません。

「学ぶ」という目的のみを達成するのなら十分かもしれませんが、その後に繋がる学位という結果を手にすることができないことはデメリットでしょう。

学位を取得することで、たとえば科学(Science)などの専門的機関に就職ができたり、自分自身が大学の教員となり、次の世代に知識を授けるEducationの役割を担えます。

人生での選択肢を広げるためにも、学位が取得できることは有難いポイントです。

取得した単位を他大学の卒業単位として利用できる

あまり知られていませんが、海外大学のオンライン講義で取得した単位は、他の大学への移行が認められています。

たとえば、海外大学にオンラインで在籍中に他の大学に編入した場合、オンラインで取得した単位はそのまま編入先の大学で使えるということです。時期によっては卒業単位としても活用できるので、重要な仕組みでしょう。

しかし、それにはいくつかの条件があります。

  • 取得した単位が大学レベであると認定されている
  • 単位の科目番号が100番台以上である
  • 成績が5段階でC以上またはB以上

上記はあくまでも一例で、国や学校によって規則が異なりますので、必ず事前に条件を確認してください。

日本にいながら海外カレッジに通える

日本にいながら、さらに言えば自宅にいながら海外大学に通えることは、オンラインの最も大きな恩恵でしょう。

海外留学には、様々な準備が必要です。現地でのホームステイ先や学生寮の確保、賃貸なら不動産屋巡りなど、生活基盤を整えることに多大な労力を要します。

ようやく現地で学校に通う準備が整っても、文化や言葉の違いに戸惑い、日常生活が上手く送れない恐れがあります。国が違えば価値観や常識も異なってくるので、海外での生活に適応できない留学生は珍しくありません。

結果的にホームシックになったり、精神的に病んでしまうことで留学を断念せざるを得ない状況となります。苦労して準備をしたのに、不完全燃焼のまま留学を終えるなど悔しくて堪らないでしょう。

しかし、日本にいれば、そういったリスクから解放されます。慣れ親しんだ環境で家族や友人たちに囲まれていることで、ノーリスクで海外留学を楽しめます。

好きな時間・場所で授業が受けられる

オンラインであれば、時間と場所を問わず講義を受けられます。

自宅の自室でも良し、お洒落なカフェでも良し、その日の気分に合わせて場所を変えることで、マンネリ化を防ぎつつ楽しみながら学べるでしょう。

また、好きな時間の講義を選択することで、忙しい社会人もオンライン大学に通えます。

海外留学は、なにも学生だけの特権ではありません。キャリアアップやスキルアップを目指す社会人にとっても、現地に渡航せず学位が取得できることは画期的なシステムだと言えるでしょう。

ビザ手続きなどが不要

日本から出る必要がないということは、当然ながらビザの申請も不要です。

国や滞在期間にもよりますが、海外留学には学生ビザが必要です。現地で仕事がしたければ、併せて就労ビザやワーキングホリデーへの申請が必要ですので、事務手続きはかなり面倒でしょう。

しかし、オンラインで海外大学の講義が受けられれば、そういった煩わしい事務手続きを行う手間が省けます。ビザ申請には費用も発生するので、経費節減にもつながります。

海外留学に比べて費用が安い

一般的な海外留学と比較し、オンライン入学は圧倒的に費用が安く済みます。

海外留学には、下記のように様々な費用が発生します。

  • 航空券代
  • ビザ申請費
  • 学費
  • 寮費・ホームステイ費・賃貸料
  • 生活費(食費・水道高熱・通信費
  • 交際費

日本にいれば、上記項目の多くが免除されます。懐に余裕のない方にとって、これは非常に有難い恩恵です。また、学費に関してもオンラインは通学と比べて安く済みます。

海外留学において、費用は切っても切れない問題点ですが、オンラインという制度を活用することで金銭的な負担はだいぶ軽くなることでしょう。

外国人から刺激を受けられる

海外の大学では、クラスメイトが多国籍となります。オンライン大学も例外ではなく、様々な人種と交流を深めることで、日本人同士では受けることができない刺激を得られるでしょう。

外国人と日本人では、基本的に思考回路が異なります。そのため、常識や価値観に大きな違いが生まれ、時としてそれが自分にとってプラスに働くことがあります。

これまでの凝り固まった価値観をグローバルな視点を持って解すことができれば、今後の人生において人間的な成長につながるでしょう。

ビジネスにおいても保守的な日本人とは異なり、外国人は非常に積極的な性格です。日本では敬遠されがちな投資ビジネスにおいても、海外からは小学生の頃から学び、実践をしています。そういった新しい風を積極的に受け入れてください。

海外大学にオンライン入学するデメリット

ノートパソコンと観葉植物のある明るいワークスペース

自宅にいながら海外の大学で学ぶことのできるオンライン留学は、残念ながら良いことばかりではありません。人によっては、大きなデメリットも存在するのです。

オンラインという特性上、避けては通れない問題点でもあります。必ず事前に把握しておきましょう。

インターネット環境・機材を整える必要がある

海外大学のオンライン授業を受けるためにはインターネット環境と、ある程度のスペックを持ったパソコンが必要です。

「オンライン講義を見るだけなら、スマホやタブレットでも良いのでは?」

このような疑問はもっともです。しかし、スマホやタブレットだけでは、学位を取得して卒業することが難しくなります。

たとえば、アメリカのオンライン大学、「University of the People」では、試験に以下のシステムを用います。

  • Proctored Exam
  • ProctorU

それぞれインターネットを通じて試験を試験監督(監視)をしてくれるサービスなのですが、スマホやタブレットからでは利用できません。つまり、試験を受けて単位を取得するには、パソコンが必須だということです。

また、Wi-Fiなどのインターネット環境も重要です。講義は1コマ90分制であることが多いので、安定したネット速度とともに、月々の通信費にも気を配る必要があります。講義を受ける際はスマホとテザリング機能などではなく、Wi-Fi環境下での受講を心掛けてください。

時差がある

国によっては、日本との時差が大きいケースがあります。

例えば、日本とアメリカの時差は約13時間です。つまりアメリカの大学で午前10時に始まる講義は、日本では夜の11時となります。

昼間の良い時間帯に講義を受けることが難しいので、ライフスタイルが大きく崩れてしまう恐れがあります。社会人にとっても、その時間から講義を受けては、次の日のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことが予想されるでしょう。

なるべく時差を少なくしたいのでしたら、フィリピンなど東南アジア諸国のオンライン大学を選ぶと良いでしょう。国選ぶには慎重になってください。

とはいえ、講義は録画機能を使うことを許可されていますので、リアルタイムに拘りを持たなければ、そこまで大きな問題ではないかもしれません。

授業の質が悪いケースがある

学校によっては、講義の質が非常に低いケースがあります。講師のレベルが低かったり、オンラインに慣れていないゆえに、学生とのコミュニケーションを取らず、事務的に講義が進んでしまう事例が報告されています。

せっかく忙しい合間を縫って講義を受けたとしても、講義が大学レベルと認定されていなければ何の学びにもなりませんし、卒業単位として認められないという最悪のケースを招く恐れがあります。

こういった事態を回避するためにも、事前に大学のレベルやシステムを念入りに確認してください。

モチベーションの維持が難しい

これは日本国内のオンライン制度にも言えることですが、通学をしないことで学びに対するモチベーションを維持することが難しくなります。

通常の通学制であれば、講義は教室で行われます。教壇には講師が立ち、厳粛な空気で講義が進んでいきますので、自然と集中力も研ぎ澄まされいきます。

しかし、自宅の自室で講義を受ける場合は、どこか空気が弛緩していて気合が入りません。周囲にはスマホや漫画、ゲームなどの誘惑が散乱しており、だらけた態度を取っていても咎める人間もいません。

余程自分の興味のある分野でなければ、常にモチベーションを高く保つことは至難の業と言えるでしょう。

また、オンラインという特性上、自主性と管理性も求められます。自分で講義や単位数をきちんと管理し、卒業までトラブルの起こらないよう計画を練ることも重要です。

異文化交流する機会が少ない

オンラインの弊害と言いますか、現地で直接異文化交流を深めることができないのは、大きなデメリットでしょう。

学生同士の交流であれば、グループディスカッションなど通じて画面越しでも可能です。時間や頻度は多くないかもしれませんが、インターネットを通じて、様々な人種の学生を話をできます。

しかし、異国の街並みや文化、食事などを体験できないのは、海外留学をする醍醐味を失うに等しい状態でしょう。

シンプルに学位の取得だけが目的であれば問題ありませんが、海外に住むことを夢見る学生にとっては、味気ない留学生活になりそうです。

海外大学にオンライン入学する際の注意事項

図書館の書架と窓際でノートパソコンを使う人物

一般の大学と同様に、海外のオンライン大学も出願さえすれば誰でも無条件で入れるというわけではありません。

入学前に把握しておくべき注意点がいくつか存在します。各ポイントごとに詳しく解説しますので、トラブル防止の参考にしてください。

入学条件がある

オンライン大学とは、誰でも無条件で入学できるわけではありません。

  • 高校の卒業資格がある
  • TOEFL61以上、IELTS6.0

上記はあくまで一例ですが、学校によっては入学試験を実施するケースもあります。海外という特性上、一定レベルの英語力も必須となるでしょう。

自分の希望する大学はどのような条件で入れるのか、必ず事前に確認をしておきましょう。

人気のカリキュラムはすぐ満員となる

海外大学に限らず、講義には定員数が設けられています。そのため、人気のあるコースやプログラムがすぐに満員となる恐れがあるのです。

希望する講義が受けられなかったことを考慮して事前にプランBを練っておくなど、臨機応変に対処できるよう心掛けてください。

学校によって出願時期が異なる

国や学校によって、出願時期が異なるので注意してください。出願時に提出する書類内容もやはり異なりますので、事前に必ずチェックしておきましょう。

3年制や4年制などにもよって条件は変わってきます。まずは、どんなオンライン大学が存在するのか知るところから始めることをおすすめします。

海外大学にオンライン入学するのにおすすめの学校

ノートと本の上に置かれた開いたノートパソコン

オンライン授業に対応した海外の大学は、毎年のように数を増やしています。そこで問題となるのが学校選びです。

現地に渡航するのなら、住んでみたい国や都市を基準に学校を選定できますが、オンラインとなると勝手が違います。自分が何を学びたいか、どのようなサポートが得られるかといった、現実的なポイントが重要となるでしょう。

そこで、日本人留学生におすすめしたいオンライン大学をご紹介します。ぜひ学校選びにお役立てください。

サンカルロス大学

フィリピンのセブシティにキャンパスを構える、「サンカルロス大学」。

世界有数のリゾート地であるセブ島ではトップクラスの大学であり、世界の大学を格付けする調査期間からも高い評価を受けています。

あらゆる分野で高い教育を受けることが可能であり、日本と時差が少ないことからリアルタイムで講義を受けることも可能です。

フィリピンは親日国家としても有名ですので、多くのサポートを受けながら充実した学びが実践できるでしょう。

University of the People

世界で初めて無料で学位を取得できる、「university of the People(通称、UoPeople)」。

厳密に言えば、出願料や試験料といった形で費用は発生するので、完全無料というわけではありません。

それでも講師がボランティアであったり、有名企業からの支援を受けることで通常よりも学費を安く抑えることに成功しています。

また、オンライン講義というシステムではなく、インターネット上に閲覧可能な教科書をアップするテキストベースの学習法となっています。

そのため、時差を気にせず自分のペースで勉強できることは大きなメリットでしょう。

海外大学のオンライン授業で気軽にリモート留学しよう

白いデスクに置かれたノートとノートパソコン

時代は便利になりました。日本にいながら海外の大学の講義を受けられるなど、数年前には考えられなかったことです。ましてや、学位が取得できるとなれば、その恩恵は計り知れません。

様々なニーズを受け、教育にも多様化が求められます。学生からすれば、間違いなくメリットですので、有難く利用させてもらいましょう。

学生だけではなく、忙しい社会人や主婦など、学びの機会は誰にでも平等に訪れます。ぜひ、海外大学のオンラインシステムを活用し、気軽にリモート留学を楽しんでください。

海外留学