ワーキングホリデーの年齢制限|申請条件や注意事項はある?

ノートパソコンと花瓶のあるおしゃれなワークスペース ワーキングホリデー

海外留学で就学と就労の両面を経験できるワーキング・ホリデー。学生や社会人だけではなく、夫婦でワーホリ留学をするケースもあり、その需要は年々高まっています。

人は何歳になっても新しい刺激や経験を求めるものですが、無情にもワーキングホリデー制度には年齢制限が設けられていることをご存じですか?

年齢制限について把握しておらず、いつか利用しようと呑気に構えていては千載一遇の機会を逃してしまう恐れがあります。ワーキングホリデーの年齢制限について、詳しく見ていきましょう。

ワーキングホリデーには年齢制限がある

ノートと本の上に置かれた開いたノートパソコン

海外で様々な経験を与えてくれるワーキングホリデー。ビザによっては、就学と就労を両立した上で、取得に際して年齢制限なしのものが存在しますが、ワーホリに関しては年齢制限が設けられています。

せっかく海外に飛び出す気になっても、年齢で適用外となっては元も子もありません。ワーキングホリデーの年齢制限について徹底解説をしますので、必ずチェックしてください。

原則18~30歳まで

ワーキングホリデーの年齢制限は、原則として18~30歳以下と定められています。年齢の枠組みは国によって異なり、下記のように多少の誤差が生じるケースも存在します。

国名 年齢制限
  • オーストラリア
  • カナダ
  • 韓国
  • アイルランド
18~25歳以下
(各々の政府当局が認める場合は、30歳以下まで申請が可能)
アイスランド 18~26歳以下
スクロールできます

参考:外務省

30歳でも十分にシビアな年齢制限ですが、海外移住先として人気の高いオーストラリアなどは、更にシビアな25歳に上限が設定されています。

正当性があれば30歳まで申請は可能ですが、利用者の立場からすれば、枠組みの拡大を希望したいというのが本音でしょう。

現時点では年齢制限を31歳以上に引き上げる動きはありませんが、ワーホリビザの需要は年々高まっている傾向にあります。ワーホリ年齢引き上げという今後の動向に期待しましょう。

実は31歳でもワーホリに参加できる?

裏技と言ったら大袈裟ですが、30歳という上限を超えてワーキングホリデーに参加する方法があります。

理論的には非常にシンプルで、年齢が30歳の年にビザの申請を行い、渡航前までに31歳の誕生日を迎えれば良いのです。

ワーキングホリデーの年齢制限は、あくまでビザ申請時の年齢であって、現地に渡航した年齢ではありません。

極端な例え話をするなら、5月5日で31歳になる方は、5月4日の誕生日前日にビザの申請を行うことで、実際にワーキングホリデーに参加するのは31歳ということになります。

  • 今年で31歳になる
  • 来月の誕生日で31歳になる
  • ビザの発給に時間がかかり渡航時には31歳になってしまう

上記のような理由でワーホリ留学を諦めてしまったケースが多発していますが、自分で判断をせず、まずは留学センターなどに問い合わせてみましょう。

ただし、申請書類に不備があると受理されず、再申請を求められる恐れがあります。

31歳になるギリギリのタイミングで申請することで、トラブルが起きた際に年齢上限を超えてしまうケースもあるのでご注意ください。

オーストラリアでは35歳まで可能?

結論から申し上げると、オーストラリアでワーキングホリデーが利用できる年齢の上限は25歳以下(条件によって30歳まで申請可能)となっています。

では、なぜ35歳まで申請が可能という情報が出回っているのでしょうか。

実はこれはまったくの誤情報というわけではありません。オーストラリア政府は、2016年9月27日に、タイムフレームや立法の基準、協定国との関わりも踏まえた上で、ワーキングホリデーのビザ申請年齢を30歳から35歳に引き上げることを検討する旨を発表しました。

しかしながら、2023年現在でも年齢の上限が引き上げられたいう発表はありません。今後も変わらず年齢制限は25歳(30歳)となりますので、オーストラリアへのワーホリ留学を検討されている方はご注意ください。

ワーホリ参加国の年齢制限一覧表

ワーホリ留学をする際、どの国を滞在先として選ぶか迷う方も多いでしょう。現在、日本人がワーキングホリデー制度を利用して渡航できる国は、下記の29ヵ国となっています。

国・地域名 制度開始年 年間発給枠
オーストラリア 1980
ニュージーランド 1985
カナダ 1986 6,500
韓国 1999 10,000
フランス 2000(平成11年)12月に暫定導入開始 1,500
ドイツ 2000
英国 2001 1,000
アイルランド 2007 800
デンマーク 2007
台湾 2009 10,000
香港 2010 1,500
ノルウェー 2013
ポルトガル 2015
ポーランド 2015 500
スロバキア 2016 400
オーストリア 2016 200
ハンガリー 2017 200
スペイン 2017 500
アルゼンチン 2017
  • 日から亜:200
  • 亜から日:400
チリ 2018 200
アイスランド 2018 30
チェコ 2018 400
リトアニア 2019 100
スウェーデン 2020
エストニア 2020
  • 日からエストニア:無
  • エストニアから日:100
オランダ 2020 200
ウルグアイ 2023 100
フィンランド 2023
  • 日からフィンランド:無
  • フィンランドから日:200
ラトビア 2023 100

引用:外務省

日本では、1980年(昭和55年)に、オーストラリアとの間で初めて結ばれました。以降、順調に同盟国を増やすことで、日本人の海外留学を後押しする動きが活発になっています。

海外留学において、就労ビザを取得しなくても現地で働けることは、非常に合理的な仕組みです。全体的な留学費用の削減や、海外勤務という一種のステータス獲得は非常に大きなメリットです。

アメリカがワーキングホリデーに参加していないことが、少々以外に感じるかもしれません。今後、アメリカは協定国となってくれれば、世界経済の中心に飛び出す日本人も増えるでしょう。

ワーキングホリデーに年齢制限を設ける理由

屋外の芝生で教科書にマーカーを引きながら勉強する様子

ワーキングホリデーの年齢制限について詳細をお伝えしましたが、そもそもなぜ年齢制限などという野暮な仕組みを作ったのでしょうか。

そこには、ワーキングホリデーの本質に関わる重要な理由がありました。詳しく見ていきましょう。

成人年齢を考慮している

年齢制限が18歳以上となっているのは、日本と協定を結ぶ多くの国が成人年齢を18歳と定めているからです。

ワーキングホリデーは若者同士の国際的な交流を深めることを目的とした制度ですが、一時的に海外移住するからには、やはり年齢が成人に達している必要があるということでしょう。

青少年の定義を考慮している

上限の30歳という年齢は、「青少年」という定義を元に設定されています。

ワーキングホリデーの目的は、青少年(若者)同志の国際交流を深めることを目的としています。

30歳を超えたら青少年ではないという法律はありませんが、身体の衰えや社会的な経験を踏まえ、30歳までを申請条件としているのです。

しかし、海外に飛び出すことに年齢の定義は些か野暮だといえます。たとえ30代後半や40歳、50歳だとしても、チャレンジに遅すぎることはありません。

ワーホリ適用外だとしても、別の方法で海外生活を実現させましょう。

ワーキングホリデーの申請条件

整然と並んだ書籍が印象的なモダンな図書館

無事に年齢制限をクリアしたからといって、無条件にビザを発給してもらえるわけではありません。一般的にはあまり知られていない、細かなルールが存在します。

これからワーホリ留学を検討している方に向けて、ビザ申請の条件を解説します。

1つの国で2回以上のビザ申請を行っていない

ワーキングホリデーのビザは、1つの国で1度しか取得できません。つまり同じ国で2回以上はワーキングホリデーを利用できないのです。

1度目のワーホリ留学でその国に愛着が湧いたとしても、次回以降は別の方法で留学・滞在をする必要があります。

ビザ取得の目的が休暇を過ごすこと

多くの国で、ワーキングホリデーの目的は休暇を過ごすことと定めています。就労に関してはお金を稼ぐのではなく、仕事を通じて現地の人間と交流を深めるために許可されている認識です。

つまり海外への出稼ぎや、専門分野の勉強のみを目的としているなら、ワーキングホリデーの適用外となります。

一定金額の資産を保有している

意外な話かもしれませんが、ビザ申請時に一ある程度の資金の所持を義務付けている国があります。

国名 預金額
オーストラリア 5,000豪ドル以上
ニュージーランド 4,200NZドル以上
カナダ 2,500カナダドル以上
イギリス 1,890ポンド以上
スクロールできます

滞在初期は就労先が見つからなかったり、給与を受け取るのが先になることが危惧され、収入が無くても滞在費を確保できている保証が必要となるのです。

扶養家族の同伴は不可

ワーホリ留学に自分の子供などは同伴さられません。

ワーキングホリデーの目的は、あくまでも休暇を過ごしながら青少年同士の交流を深めることです。そこに保護義務のある家族が同伴してしまうと、本来の趣旨から外れてしまうと考えられています。

夫婦でワーキングホリデーを利用することは可能です。その場合、夫婦それぞれにビザの申請をする必要があります。

ワーキングホリデーの注意事項

図書館の書架と通路が並ぶ明るい館内

年齢・申請条件などをクリアしてホッと一息ついている方は、まだ気を抜かないでください。ワーキングホリデーの利用には、いくつかの注意事項があります。

ワーキングホリデーを上手に利用するためには欠かせないポイントですので、参考にしてください。

発給枠(上限)がある

全ての協定国がワーキングホリデーのビザを無制限に発給しているわけではありません。

年間の発給数に上限を設けている国も多いので、滞在先として希望する国のビザ発給数はこまめにチェックしましょう。外務省や在日大使館、留学エージェント・カウンセラーなどを上手に活用してください。セミナーなどにも参加して、最新情報は必ず収集しましょう。

就学可能期間が設けられている

国によっては、就学に期間を設けているケースがあります。

滞在期間中に、就学も就労も自分の希望するだけ行える国もあれば、就学期間を4ヶ月間だけと、シビアな条件を設けている国もあるのです。

自分が何の目的でワーホリ留学をするのか明確にした上で、滞在先を慎重に選ぶと良いでしょう。

滞在期間の延長には条件がある

ワーキングホリデーの滞在期間は、基本的に1年間です。しかし、延長手続きを踏むことで、2年や3年に滞在期間を伸ばすことが可能です。

延長方法に関しては、国ごとに定められています。自分が延長条件を満たしているか事前に確認し、希望するなら滞在延長手続きを行ってください。

ワーキングホリデーの活用方法

赤いペンでノートにメモを取る手元のクローズアップ

全ての関門を無事に通過した方、おめでとうございます。これで、ワーホリ留学への弊害はなくなりました。ここからは、よりワーホリ留学を充実させるためのポイントを解説していきます。

自分が何のために海外に渡るのかイメージしながらご覧ください。

英語を学ぶ

ワーキングホリデー制度を使い、英語の語学留学をする学生も非常に多いです。現に日本国内も留学センターには、ワーホリ留学のパンフレットが多数置かれているのです。

アルバイトをすることで留学費用が抑えられますし、現地の人間と交流を持つことで、本場の生きた英語を取得することができるでしょう。ホームステイなどを利用することで、更に滞在費の削減と英語力の向上が可能です。

国よって語学学校やスクールに通う期間を制限されているケースがあるので、事前に各国の就学条件を確認してください。

現地で働く

ワーキングホリデーは、社会人としてのキャリアを築きたい方にも利用されています。

現地に赴き、自分が就いている職種と同じ分野の仕事をすることで、海外勤務経験ありというステータスを獲得することができるのです。

基本的に、外国人の価値観は我々とは異なります。異なる文化を持つ人間を相手に仕事をすることで、自分の価値観や視野を広げることができるでしょう。英語力が自然と磨かれるのも、帰国のステータスとなります。新たなビジネスを思いつくヒントも多く転がっているかもしれません。

インターンシップ制度とは異なるので、企業独自の研修や、プログラムに参加することができないのは残念です。

プライベートを充実させる

勉強も仕事も大切ですが、どうせ海外に渡るのならプライベートもしっかり楽しんでください。

プライベートといえば、観光や免税店での買い物をイメージするでしょうが、ボランティアとして渡航する方もいます。

海外で仕事をしてがっつり稼ぎたいという人もいるでしょうが、ワーキングホリデーには就労可能時間が定められていることから、フルタイムで勤務をすることができません。そのため、お金を稼ぐ目的で渡航するのは少々難しいでしょう。

海外に渡る理由は人それぞれですが、自分なりの楽しみ方で満喫してください。

ワーキングホリデーの年齢制限はシビアである

膝の上で本を読む女性の手元のクローズアップ

ワーキングホリデーの年齢制限は、原則18~30歳です。人生まだまだこれからというタイミングで適用外となってしまうのは、現実とは如何にシビアなものか突きつけられているような気がします。

しかし、厳しい条件を乗り越えることになっても、ワーキングホリデーには利用価値があります。

海外で英語を学びながら就労ができるワーキングホリデー。現地で働くことにより、渡航費用を抑えながら海外留学ができるので、資金力の乏しい方にはもってこいの留学制度です。

現地での就労先も自分で好きに選ぶ(探す)ことができるので、興味のある分野で働くことにより、今後のキャリアの糧になってくれるでしょう。海外勤務の経験は、皆さんが想像しているよりもステータスになります。

また、完全に海外移住をすることは無理でも、一時だけでも異国の地で生活をしてみたいという方にも需要があります。ワーキングホリデーでは最長で3年間は現地に滞在できますので、海外生活を満喫するのは十分な期間と言えるでしょう。

ワーキングホリデーは、若い世代に新しい刺激を与えてくれる素晴らしい制度なのです。

ワーキングホリデー