皆さんはEmigration(移住)を検討したことはありますか?
- 日本国内だけではなく新しい人生を始めてみたい
- 窮屈な日本が嫌になった
などの理由で海外移住を検討する方も多いですが、海外移住で気になるのが言葉の問題でしょう。
世界には多くの言語が溢れています。現地の言葉に馴染めるか不安な方は、English(英語)を公用語としている国に移住する傾向にあります。
しかし、ある程度の英語力がなければ、現地での生活は苦労の連続となることをご存じですか?
本記事では海外移住と英語力の関係性について徹底解説をするとともに、英語に自信のない方への解決策を提示します。ぜひ参考にしてください。
海外移住に英語が必要な理由

夢の海外移住を実現させるには、英語力が必要不可欠です。英語が扱えないがゆえに、日本を離れるという選択肢を取れずに足踏みする方もいるでしょう。
では、なぜ英語力がそこまで重要視されるのでしょうか。
世界で最も使われている言語だから
英語を公用語としている国は約54ヵ国あり、英語人口は約15億人にも上ります。英国やアメリカはもちろん、それぞれに主要言語が存在するヨーロッパ圏でも、第二公用語を英語としている国は多いのです。
このような話があります。フランス留学をしたポルトガル人学生が、現地では英語でのコミュニケーションに随分と助けられたそうです。フランス人が英語を当たり前のように話すこともそうですが、学生自身もポルトガル語のほかに英語が堪能であることに驚きです。
日本でも英語教育の水準は確実に上がっていますが、日本語に次ぐ第二の公用語として意識している他国に比べれば、まだまだだと言わざるを得ません。
意外に思われるかもしれませんが、東南アジアも英語を公用語と定めている国が多いことから、日本の近くに位置する国に移住する際も、英語さえ話せれば移住生活を送ることができます。
このような理由から、英語さえ学んでおけばOverseas(海外)に移住をしても、現地でのコミュニケーションに困ることはないでしょう。
会話が聞き取れない
学生時代に英語をみっちり学び、試験でも常に高得点を出していた方がいるとします。その方は、日常生活に必要な英単語を暗記しており、Reading(リーディング)にも自信があることから、海外に移住しても大丈夫だろうと高を括っています。
しかし、そういうタイプほど、現地で痛い目に遭うケースが多いのです。
知識としての英語を学んでいても、スピーキング力が乏しいことで単語を聞き取れません。特にネイティブスピーカーが複数人集まって会話をしようものなら、知っているはずの単語すら聞き取れず、全く会話に参加できないことが予想されます。
机上の知識と現実は大きく異なります。英単語を覚えることは重要ですが、本場の英会話に触れる機会がなければ、宝のもち腐れと言えるでしょう。
英語が第一言語ではないと理解してくれない
日本人の英語力が低いと分かっている外国人は、自然と会話にも気を使ってくれます。
- 単語が聞き取れるよう、わざとゆっくりとした口調で話してくれる
- なるべく簡単な単語を使ってくれる
- 短い文章を使ってくれる
- こちらが理解しているか確認しながら会話を進めてくれる
- ジェスチャーを交えてくれる
上記のような工夫をしてもらえると、英語力の低い日本人でも何とか会話を成立させられます。しかし、このような配慮をしてくれる外国人は稀で、多くの方が自分のペースでどんどん言葉を紡いでしまうのです。
その結果、こちらは相手が何を言っているのかまるで理解できず、会話は成立しません。日本人に否定的な感情をもっている国だと、このようなケースが多発するので注意が必要でしょう。苦手意識を察してほしいという感情は、こちらの都合でしかありません。
衣食住の確保が難しい
英語でのコミュニケーションに難があることで、現地の生活基盤を築くことが難しくなります。
海外移住をするということは、当然ですが現地で住居を構える必要があります。自分で不動産屋を回り物件契約を済ませ、電気・ガス・水道の手配もしなければなりません。
国が違えば、あらゆる仕組みが変わります。海外での賃貸契約は日本より複雑なケースがあり、特にスウェーデンでの賃貸契約は複雑怪奇で訳が分かりません。
スウェーデンでは持ち家比率が高いことから、人口に対して借家の数が非常に少ないです。そのため、物件を借りるための長い順番待ちや、第一契約や第二契約といった複数の契約を結ぶ必要があるケースなど、日本では考えられない状況が待ち受けています。
ライフラインの手配に関してもやはり日本とは勝手が異なり、携帯電話1つ契約するだけでも非常に面倒な手続きを行います。
このように、現地での生活を基盤を整えるために様々な事務手続きや申請を乗り越える必要がありますが、言葉が不自由なことで職員の説明が理解できなかったり、契約面で認識のズレが発生するなど大きなトラブルに発生するリスクがあるのです。
仕事ができない
老後の海外移住であれば年金で生活することが可能ですが、定年前であれば現地で就労する必要があるでしょう。その際、英語が話せないことで希望する仕事に就くことができない可能性があります。
接客業など現地の人間と接する職種であれば、当然ですが英会話ができなければ話になりません。言葉が分からずモタモタしていることで、職場に不利益が生じるリスクもあるので、仕事選びには慎重を期す必要があるでしょう。
仕事に就けるだけまだマシで、現地での就労自体が不可能なケースもあります。国よって就労ビザ発行の条件は様々で、IELTSやTOEICなので一定の点数に達していないと、現地は働くことを許可されない恐れがあります。
英語力に自信のない方は、日本人労働者の多い職場や、日本法人の企業に就職するなどの工夫を行うと良いでしょう。
人間関係のトラブルに発展する
こちらの意図が上手く伝わっていなかったり、相手の言葉を誤った認識で受け取ってしまうことで、現地の人間と様々なトラブルを起こす可能があります。
例えばスーパーでの会計時に文章でやり取りするケースはありませんし、屋台で料理を注文する際も言葉のやり取りで行われるケースがほとんです。こちらがモタつくことで相手が苛立ち、辛辣な言葉を浴びせられることもあるでしょう。
稀にレストランなどで文章を用いて店員とやり取りをしたり、携帯の翻訳機を使うケースもあるでしょうが、日常生活においてはやはりコミュニケーションのメインは会話となります。
自分だけが不利益を被るなら仕方ないですが、言葉が拙いことで仕事の取引先を怒らせたり、同僚と認識の不一致で衝突するなど、ビジネス面でも不利益になるのでしたら、それは由々しき事態でしょう。
ホームシックになる
英語が原因で様々な災難に見舞われることで、海外生活自体に嫌気が差すケースも多いです。日本を離れて初めて母国語の便利さを痛感し、友人や知人もできないことから、極度のホームシックに陥る可能性もあるでしょう。
日本に戻れば言葉で苦労せずに済む、家族や友人もいるし、仕事も見つかる。
海外生活の華々しいイメージと現実のギャップに打ちのめされることで、やむを得ず帰国という選択肢を取る方は非常に多いのです。
現地で独学で英語を学ぶにしても、勉強法が分からなかったり、教えてくれる講師が見つからなかったりと八方塞がりになってしまい、英語に対して一種のトラウマを抱くケースも少なくはありません。
また、同行した子供がホームシックになるリスクも否定できません。初めての海外移住なら、事前に現地でのサポート体勢を整えておくと安心です。
海外移住ではどの程度の英語が必要?

海外移住に英語力が必須であることは理解できたと思いますが、具体的にはどの程度のレベルが必要でしょうか。
外国人並みに英語が話せるというイメージをもたれがちですが、そこまでハードルは高くありませんのでご安心ください。
「英語できない」「英語話せない」という方に向けて、海外移住における英語力の最低ラインを解説します。
最低限の会話ができる程度の英単語を覚えていればOK
英単語を覚えていれるだけでは海外生活は難しいとお話しましたが、それはあくまでも高い英語力を求められる国に移住をしたケースです。
米国やヨーロッパ圏ではなく、東南アジア諸国などに移住をすれば、最低限の会話ができれば十分に生活ができます。
相手も複雑な会話を求めてこないことから、非常にシンプルな単語のやり取りだけで会話が成立できます。
現地でのサポートが見込めるなら現地学習でもOK
移住先に友人や知人がいたり、日本人が所属する企業に就職するなどすれば、そこまでの英語力は必要ありません。
日常生活において多くの方のサポートが受けられれば、必要最低限の英語力でも不自由はしないでしょう。また、心にゆとりが生まれることで、改めて現地で英語を学び始めるという選択肢を取れます。
現地のスクールに通うも良し、友人に個人レッスンを依頼するも良し、自分のライフスタイルに合った英語学習で力を伸ばしていきましょう。
海外移住で英語は上達する?

結論から申し上げれば、海外移住後に英語は上達します。なぜなら、日本では英語に対して机上の学習がメインとなりますが、海外では人との対話に重点を置いているからです。
近年、日本では本場の英語に浸かるための語学留学が活発化しており、それを後押しするためのサービスも幅広く展開されています。それほど、海外生活がもたらす恩恵が大きいということです。
海外移住で英語力が向上する理由を詳しく見ていきましょう。
100%英語環境に身を置ける
英語力を向上させるのは単語を覚えることも重要ですが、それ以上にスピーキング力が重視されます。
日本でもオンライン(WEB)などを用いた外国人講師との英会話スクールは充実していますが、1~2時間程度のレッスンが終われば、再び日本語が生活の基盤となります。それでは、海外生活で通用するレベルに達するまで長い時間を要するでしょう。
海外で生活をすれば、飛び交う言語は全て現地の言葉です。朝から寝るまで英語漬けの日々を送ることで、自然とListening(リスニング)が鍛えられ英単語を聞き取る能力が嫌でも向上してきます。その成果がスピーキング力に反映され、日本では習得することのできない英語力が身に付けられるのです。
内容の濃い充実したレッスンを受けられる
流行りの0円留学を筆頭に、近年は多くの日本人留学生が現地で英語を学べるサービスが展開されています。
留学サービスの大きな特徴は、現地の講師によるマンツーマンレッスンです。それも4~5時間をぶっ通しで行うので、非常に濃密なレッスンを受けることができるのです。カリキュラムも学生によってレベル調整されているので、無理なく楽しみながら英語を学ぶことができるでしょう。
また、英語を学ぶことで様々な資格を取得することも可能です。今後のキャリアアップにもつながってくるので、語学留学は非常に効果的です。
英語に自信がない人におすすめの移住先

最低限の英単語も理解していない、現地に友人も知人もいないからといって、海外移住を諦める必要はありません。世界は皆さんが想像しているよりも広く、英語力に自信がなくても移住できる国が存在するのです。
ここからは、英語が話せなくても海外移住の夢を叶えたいという方を応援します。
オーストラリアやニュージーランド、カナダなど観光地として有名な国もおすすめですが、これからご紹介するのは、まさに英語力がなくても生活に困らない国ですので、参考にしてください。
フィリピン
英語力に自信がなくても生活ができる代表国がフィリピンです。
フィリピンは英語圏の国であり、フィリピン人は英語を扱えます。現地には親日家の人間が多く、拙い英語しか話せなくても会話を急かされたりする心配はありません。
年間をとおして非常に多くの日本人留学生を受け入れており、温暖な気候と物価の安さも相まって、日本人の移住先におすすめの国です。
タイ
微笑みの国であるタイも、その穏やかな国民性から日本人の移住先には適しています。
フィリピンと同様に親日家であることから現地で様々なサポートが受けられ、最低限の英語しかできなくても生活に困ることはないでしょう。
文化的にも魅了の多い国ですので、住んでいるだけ楽しい毎日が送れます。
マレーシア
最後にご紹介するの、経済発展が著しいマレーシアです。マレーシアでは英語を準公用語としていますが、観光客が多いことから拙い英語でも優しく対応してくれる環境が整っています。
日本でも多くの著名人が移住していることから非常に住みやすい国だと言えるでしょう。
治安が良いことでも知られており、商業施設や日本食レストランが点在していることから、生活水準を落とす必要もありません。
海外移住に高度な英語は不要

国選びを間違えなければ、海外移住にそこまでの英語力は必要ないと言えます。
長期滞在や、永住ビザの取得条件に英語力の指定がある場合は別ですが、東南アジアなどは英語スキルがなくても滞在を制限されることはありません。
加えて、現地で生活・勉強をすることで自然と英語力は上達していきますので、過剰に心配することもないでしょう。
英語力向上の鍵は、環境にあります。常に本場の英語が飛び交う場で生活をしていれば、あなたもネイティブスピーカーになれる日は近いかもしれません。
言葉の不安を解消し、海外での新しい人生に胸を躍らせてください。